- (1)国・地方自治体は、自然災害が発生した際には、「すべての人の命とくらしを守る」ことを最優先にした対策を実行する。住民、地域組織、学校、企業などと連携し、災害発災時に被害状況を収集・集約・精査し、関係機関へ情報が迅速かつ確実・正確に伝達・共有されるよう人的体制も含めた体制整備を行う。
①Lアラートの普及・拡充とともに、情報発信と伝達について多言語発信を含めた手段の多様化を推進する。
②J-Alertや防災行政無線などを通じた警報等が確実に伝わるよう設置場所や人的体制なども含めた整備を行う。
③防災行政無線および消防救急無線の早期かつ円滑なデジタル方式への移行を進めるとともに、妨害電波への対策を強化する。
④ソーシャルメディアなども含めた多様な情報通信手段の利用を周知・徹底するとともに、障がい者や生活困窮者、外国人労働者等に対しても確実に情報が伝わるよう施策を講じる。(「社会保障制度の基盤に関する政策」(12)① 参照)
⑤官民が保有するG空間情報を活用した「総合防災情報システム」の整備・運用を早急に進めるとともに、都道府県等における当該システム導入促進に向けた必要な財政や人的支援を積極的に行う。
⑥自治体における防災担当者の育成・確保や平時におけるLアラートなどを活用した総合的防災演習の充実をはかる。
⑦国・地方自治体は、災害発生時においても住民サービスや医療が提供されるよう情報資産を保護する取り組みを推進する。また、事業者に対してもバックアップ体制の構築などを指導する。
⑧発災が予測される際に公共交通機関等を停めて安全を確保するなどの災害対応に関する情報を広く周知するため、地域の企業や学校等との情報共有のための必要なネットワークづくりを進める。
- (2)地方自治体は、情報が錯綜しないよう、住民、地域の消防団・水防団や地域コミュニティ組織、民間企業などと連携し、特性の違う複数の手段により被害状況を収集・集約し、防災関係機関、報道機関、ライフライン・公共交通機関へ逐次情報の共有化をはかる。
- (3)国・地方自治体は、発災時における防災担当者の業務負担の極度な増加につながらないシステムを構築し、迅速な情報の収受を実現する。また、災害により故障が発生した場合にも、迅速に対応できる体制の整備をはかる。
- (4)国・地方自治体は、大規模災害発生後における情報通信手段の確保や情報提供のあり方など、情報の発信や収集に関わる総合的な取り組みを推進する。(「ICT(情報通信)政策」より再掲)
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①大規模災害時における臨時災害放送局(ミニFM放送局等)の設置・開設にかかる行政手続きの迅速化・簡素化を制度化する。
②政府や地方自治体は、災害時における非常用移動基地局、非常用電源設備の移送、燃料の確保など、情報通信事業者が確実に事業を遂行できるよう必要な支援や対策を行う。
③政府は、停電時においても情報通信手段が確保されるよう非常用蓄電池の普及・開発に対する支援や非常用発電機の燃料備蓄などの取り組みを進める。
④公共施設や避難所等に衛星携帯電話などの非常用通信手段を配備する。
⑤国・地方自治体は、被災地で必要となる情報の発信について一元的な管理を行うとともに、被災者からの行政等に関する問い合わせについてもワンストップでの対応が可能となるよう取り組みを推進する。また、地域ごとにきめ細やかな情報提供が行われるよう、通信と放送の融合などICTの活用や情報通信事業者をはじめとする民間事業者との連携を強化する。
⑥訪日外国人旅行客の増加をふまえ、観光庁の災害アプリ「Safety tips」の利用促進と共に、適宜機能の充実をはかる。
- (5)地方自治体は、自然災害が発生した後に建築物の敷地・構造および建築設備の安全・衛生・防火・避難などの状況について、土木・建築に関する公的資格を有する者が検査・判定し、その結果を報告する現行の「被災宅地危険度判定」・「応急危険度判定」制度を統合する。
- (6)国・地方自治体は、高齢者、障がい者、子ども、外国人労働者その他特に配慮を要する者に対し、発災時に実現可能な対応策を定めるとともに、「地域の連携や助け合い」による正確な情報の伝達と安全な避難活動につなげるための支援を行う。また、防災・減災に関する児童用、障がい者用、外国人労働者用などのパンフレットを作成し、効果的に配布する。(「社会保障制度の基盤に関する政策」(12)① 参照)
- (7)国・地方自治体は、防災行動計画の中に、国・地方自治体、公共交通機関、企業、学校、住民が連携する「タイムライン(「いつ」、「誰が」、「何をするのか」をあらかじめ時系列で整理した防災行動計画)」を組み込み、災害時に各主体が連携した対応を行うことを支援する。
5.くらしの安心・安全の構築|東日本大震災からの復興・再生および防災・減災に関する政策