5.くらしの安心・安全の構築|食料・農林水産政策

2-18-6.「水産基本計画」を着実に実行し、水産業の持続可能な産業基盤の確立と、水産資源の維持管理強化ならびに水産食料の安定供給確保をはかる。

  1. (1)国・地方自治体は、既存の新規漁業就業者総合支援事業に加えて、漁船取得など初期投資に対する支援、新規就業後の継続的技術指導などの支援を拡充し、雇用機会の拡大と雇用のミスマッチ解消をはかる。また、漁業における労働条件および安全操業も含めた安全衛生管理体制の整備を推進し、雇用管理の改善につとめる。
  2. (2)国・地方自治体は、計画的に資源管理に取り組む漁業者を対象とする漁業共済・積立プラスの加入率向上ならびに漁獲金額の減少による損失補填水準の引き上げ、漁業経営セーフティーネット構築事業における積立への新規加入者の拡大を支援し、漁業従事者の所得確保ならびに持続的かつ安定的な漁業経営の確立をはかる。
  3. (3)国・地方自治体は、人為的要因以外の資源変動や地域特性に応じて、各地域がめざす地方創生に資する沿岸漁村を構築する。また、水産資源の維持管理強化、水産食料の安定供給の確保、水産物の管理拡大へ向けて、漁業者と企業経営体とが協調できる体制を構築する。

    ①国は、水産資源量の正確な把握や各魚種の生態、気候変動が漁業に与える影響などについて調査を推進し、適正な水産資源管理を行う。漁獲量の個別割当(IQ)については、現行の漁獲実績にもとづく配分を見直し、公平性の向上をはかる。また、違反操業に対する防止対策と監視・防止体制を強化する。

    ②国・地方自治体は、環境保全、森林整備、河川の生態系に配慮した改修、水質汚染の回避および削減に努め、河川、湖沼、沿岸における水産資源の保護・回復策を推進する。(「環境政策」参照)

    ③わが国の周辺水域については、国・地方自治体が周辺国・地域との連携を強化し、適切な漁業関係を構築する。あわせて、IUU(違法、無報告、無規制)漁業の取締りを強化するとともに、操業の国際取り決めを遵守する。また国は、韓国、中国、台湾などの漁船に対する漁獲割当量および許可隻数の遵守を徹底するとともに、漁業協定にもとづく暫定水域などを含め適切な資源管理を推進する。

    ④国は、国連海洋条約のもとで再開した商業捕鯨について、科学的根拠を示しつつ鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用に関する国際的な理解を進める。

  4. (4)国・地方自治体は、海難事故の発生率が高い漁業従事者への安全対策として、海上保安庁の装備・人員の拡充とともに、AIS(注16)導入の促進、MICS(注17)の活用、海中転落時の自動通報システムの普及促進、ライフジャケット着用などの安全確保の徹底に向けた周知・広報などを行う。
  5. (5)国は、日本を含めたアジア諸国が未批准である漁船安全条約議定書(トレモリノス条約)の発効に向けたケープタウン新協定(注18)の採択にもとづき、わが国の批准に向けた国内法令化の検討を進める。
  1. (注16)AIS ~Automatic Identification System:沿岸海域では入出港の連絡、船位通報、航行の安全、遭難通信、外洋では船舶相互間通信に使用する無線を利用した自動船舶識別装置。
  2. (注17)MICS ~Maritime Information and Communication System:海上保安庁が漁船等の船舶運航者やプレジャーボート、磯釣り、マリンレジャー愛好者に対して、漁業活動の状況、船舶の動静、気象警報・注意報、航路標識消灯など海の安全に関する情報を提供する沿岸域情報提供システム。
  3. (注18)ケープタウン新協定 ~トレモリノス条約の発効ができていない現状をふまえ、国際海事機関(IMO)は2012年、漁船の長さをトン数で読み替え(長さ24m総トン数300トン以上)、自国の排他的経済水域及び共同漁業規制水域は適用除外できるなど、アジアの実態に配慮したケープタウン新協定を採択した。

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