①国は、介護職員等処遇改善加算を現場の継続的な処遇改善とキャリアアップにつながる賃金制度の構築に結びつける。また、介護労働者の特定最低賃金を設定するとともに、介護現場で働くすべての労働者の全産業平均との賃金格差を是正し、仕事に見合う賃金に引き上げる。さらに、加算をめぐる事務作業を簡素化するとともに、事業所に対する加算取得支援を行う。
②国は、介護職員等処遇改善加算の対象となるサービスと労働者を拡大し、介護職以外も含めた事業所全体の処遇改善をはかる。
③国および地方自治体は、事業者が介護職員等処遇改善加算を算定していることについて介護労働者への周知を徹底するよう指導する。また、現行の加算取得事業所が引き続き加算を取得できるよう、賃金体系の整備など雇用管理改善の支援を拡大する。
④国および地方自治体は、介護労働者のモチベーションを高めるキャリアアップの仕組みや、働きがいのある職場づくりを推進し、介護職のイメージを向上する。
⑤国および地方自治体は、介護福祉士の配置を介護保険サービスの指定要件および介護報酬の算定要件に位置づけ、専門職としての地位の向上、確立をはかる。そのために資格取得方法の一元化(一定の教育課程を経て国家試験受験)の経過措置は延長せず、国家試験に合格していない准介護福祉士の資格は廃止する。また、安全性の担保などのもとで一定の医療行為も実施可能な、認知症、障がいなどの専門的な介護について研修し認定を受けた介護福祉士の資格を導入し、育成する。さらに、介護福祉士教育の内容についても検討を行い、充実をはかる。
⑥国は、介護労働者の処遇改善やキャリア形成を促進するため、介護プロフェッショナルキャリア段位制度など、事業所における実践的なキャリアアップを推進する仕組みについて報酬上の評価のあり方を見直す。
⑦国は、認知症や多様な障害に対応する専門的な介護など、より質の高い介護サービスや医療との積極的な連携を行うことのできる「認定介護福祉士」の教育・育成を促進する。
⑧国および地方自治体は、サービス提供責任者に対する能力開発プログラムの拡充や定期的な受講を義務づけるとともに、事業所による受講促進にかかる取り組みを評価するなど、キャリアアップの仕組みを整備する。
⑨ケアマネジャーを地域における介護サービスの推進体制の中核的人材と位置付け、キャリアを向上させるとともに、法定業務外のいわゆるシャドーワークの軽減をはかるとともに、法定業務外のいわゆるシャドーワークの軽減をはかる。
⑩国および地方自治体は、潜在的な専門職種資格の保有者に対して、個人情報保護措置を講じることを前提に登録制度を創設し、求人に関する情報提供や、保有者が持つ能力を職場で活かせるようスキルの把握、研修制度の整備、復職支援を行う。
⑪経験による技能の習得や新たな資格の取得が、外部労働市場においてもより高い労働条件につなげられるよう、社会的なキャリアアップの仕組みを創設する。
⑫専門資格を有する人材がその役割を十分に果たすため、要支援1の人などに対する軽度な支援については、資格の有無に関わらず、サービスの担い手を広く確保する。