消滅時効」とは、一定の期間、権利を使わないことによって、
その権利が消えてしまうことです。
「一定の期間」は「民法」によって決められていますが、
民法改正によって2020年4月から消滅時効の「期間」が変わります。
一方、「賃金」の消滅時効の期間は、民法ではなく「労働基準法」で定められています。

労働基準法も民法と同じように改正されるの?
持ってる権利を使わないと消えてしまうって、どういうこと?
例えば、お金を貸した場合、返してもらう権利はいつまでもあるわけじゃないんだ。「民法」では、個人の間のお金の貸し借りについては、10年で返してもらう権利が消えてしまうんだよ。
権利が消えてしまうまでの期間は、何年と決まっているの?
改正前の民法では原則10年と決めているんだ。
ただ、レストランなど飲食店の飲食料は1年、病院で診察を受けた時の診療報酬は3年など、種類によって期間が色々異なっているんだ。
どうして期間が短いものがあるの?
例えば飲食店の飲食料で考えてみると、日常生活で頻繁に生じることや、通常は金額も多くないこと、レシートなどの保管もきちんとされない例が多いことを考慮して、早くに法律関係を確定する必要があると考えられたからなんだ。でも、短い消滅時効期間を設けることが、今の時代に合っているのかとの議論があって、2017年に民法が改正されたんだ。色々あった消滅時効の期間は「知った時(主観的起算点)」から5年、「権利を行使できる時(客観的起算点)」から10年に統一されたんだよ。2020年4月から変わるんだ。
じゃあ、賃金って、消滅時効の期間はどうなっているの?
賃金については、民法ではなくて、労働基準法で期間が決められているんだ。もともと、民法では、「月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権」は1年で消えてしまうと定めているんだ。でも、労働者は会社よりも弱い立場にあるから、労働基準法では民法より長い2年と定めているんだ。
民法が変わって、5年と10年になるのに、労働基準法は変わらないの?
労働基準法については、労働政策審議会で決めることになっているんだ。2020年4月は目前なのに、まだ期間がどうなるのか決まっていないんだよ。 賃金以外の権利は長く守られるけど、賃金を請求する権利は短い期間しか守られませんということでは、労働者を守る法律とは言えないよね。 連合は、労働基準法も民法と同じように、すぐに消滅時効の期間を5年に見直すよう、求めているよ。