雇用保険は、失業した場合や、職業に関する教育訓練を受けた場合などに給付され、
雇用されて働く人すべてのセーフティネットとして機能しています。
雇用保険制度は労使と国の共同事業です。
財源は、労働者負担の保険料・事業主負担の保険料、国費から成り立っています。
費用の一部を国庫で負担しているのは、雇用保険の保険事故である失業は政府の
経済政策・雇用政策とも関係が深く、政府もその責任を担うべきとの考えによるものです。
ところが、国庫負担には政府の雇用政策に対する責任を明確にする意義があるにも
かかわらず、国庫負担割合を見直そうとしています。
2022年1月、厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は、
今後の方向性を示した「雇用保険部会報告」をまとめました。
新型コロナウイルス感染症対策の観点から、以下が盛り込まれました。
など、各種暫定措置の延長
その一方、最大の検討課題とされたのが「失業等給付の国庫負担」です。
連合は、「早急に本則(1/4)に戻すべき」と繰り返し主張してきましたが、
厚労省は過去の雇用保険部会報告や衆参厚生労働委員会の附帯決議、
そして今回の部会の議論内容に反して、
雇用情勢および雇用保険の財政状況が悪化している場合にのみ本則と同じ1/4とし、
それ以外の場合には1/40に見直すこととしました。
こうした内容が盛り込まれた雇用保険法等改正法案が
第208回通常国会に提出されます。
雇用保険は、今後も雇用の危機的状況に対応できるよう、
健全な保険財政を確保することが重要です。
そのためにも、今こそ政府は雇用政策の担い手としての責任を示すべきです。
失業等給付に係る国庫負担割合を直ちに本則(1/4)に戻し、
財政基盤を整える。
雇用保険料の負担増による影響に配慮し、
料率の最大限の抑制をはかる。
連合は、雇用のセーフティネットである雇用保険が
将来にわたり安定的に運営され、支援を必要とする労働者が保護されるよう、
引き続き全力で取り組んでいきます。