- (1)第1層のセーフティネット
①雇用労働環境の変化などに対応するワークルールを整備・確立するとともに積極的雇用政策をさらに推進する。
②社会保険・労働保険の完全適用および給付改善をはかる。
③日本に居住するすべての者が高齢期における一定水準の所得保障を確保するため、所得比例年金が低額である者に対しては、最低保障年金を支給する。
- (2)第2層のセーフティネット
①生活困窮者自立支援制度における各任意事業の必須事業化と一体的実施をはかるとともに、事業の質の改善を行う。また、好事例の横展開を進めるなど、地域差の平準化をはかる。これらに対する財源を確保する。
②生活困窮者の相談・把握を「入口」として、早期の支援につなげるべく、アウトリーチ手法を中心に様々なチャネルを活用した包括的かつ持続的な相談支援体制を整備する。そのために、相談員や支援員の人材確保・養成を積極的に進めるとともに、これらの者の雇用の安定と処遇改善をはかる。
③「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、求職者支援制度をはじめとする他の就労支援関連施策との整合性や連続性がはかられた生活困窮者就労準備支援事業を再整備し、本人の事情や状況に応じた息の長い本人伴走型の就労支援を強化する。
④生活困窮者の求職期間中および求職後の住居と生活を保障するための制度 (「住居・生活保障制度」)を創設する。
- (3)第3層のセーフティネット
①生活保護は権利であることを明確にし、「生活保障給付」制度によるセーフティネットの再整備を行う。
a)「生活保障給付」は「健康で文化的な最低限度の生活」を営むために必要な保護基準とする。
b)不適切な給付抑制を排除し、給付基準を法定化する。
c)補足性の原則を前提に資産調査を適切に実施し、給付期間は定めない。
d)本人への継続的な支援という観点を踏まえ、第2層と第3層とを連続的に機能させていく。
②幅広い事案に総合的に対応するため、ケースワーカー(生活保護担当職員)を増員し人員体制の充実をはかるとともに、これらに対する財源を確保する。
- (4)新たな横断的セーフティネットとして、生活困窮者自立支援制度(第2層)と生活保護制度(第3層)とも組み合わさる「恒常的な居住保障制度」(後掲「住宅セーフティネット」参照)と「医療・介護費補助制度」を整備する。
- (5)誰もが住居を確保し安心してくらせる社会の実現に向けて、以下のとおり対応する。
①自立の基盤となる質の伴った住宅セーフティネットを構築する。
ア)人間の尊厳と生存の確保のため、「居住の権利」を基本的人権として位置づける。
イ)公的賃貸住宅をリノベーションなどによる老朽化対策を講じたうえで活用する。また、居住ニーズと住宅ストックをマッチングさせ、住宅セーフティネット制度の住宅登録基準を参考に一定の基準を満たした全国にある空き家を積極的に活用する。
ウ)誰もが住居を確保し、安心してくらせるよう、恒常的な居住保障制度を構築し、住宅確保要配慮者や離職によって住居や生活に困っている人のそれぞれのニーズを踏まえた家賃補助と現物サービスの組み合わせによる住居の確保を強力に推進する。
ⅰ)生活困窮者自立支援制度における住宅確保給付金の支給要件の緩和や支給期間を延長する。
ⅱ)生活困窮者、高齢者、子育て世帯、被災者など、住宅確保要配慮者が住宅セーフティネット制度をより活用できるように、 制度を積極的に周知するとともに居住支援協議会による支援強化などを行ったうえで、以下の制度を創設する。
【居住保障Ⅰ】住宅確保要配慮者に対する住宅補助制度の創設
住居を失った人や失うおそれのある人が一定基準以下の所得であるときに住居の現物支給ないし家賃補助などを行う。支給水準は、最低居住面積基準を勘案し、収入に応じて逓減するものとし、年収要件を設けたうえで期限は定めない。
【居住保障Ⅱ】生活困窮者の求職期間中および求職後の居住・生活保障制度の創設
求職後も生活基盤を確立することができるようになるまでの居住・生活保障として、長期継続性のある家賃補助制度を創設する。
②老人福祉施設、障がい者支援施設、母子家庭支援施設などの入所施設については、必要な介護や介助のための環境を勘案しつつ、住環境基本計画の最低居住面積水準を踏まえ、居住環境の向上をはかる。
- (2)第2層のセーフティネット
3.安心できる社会保障制度の確立|社会保障制度の基盤に関する政策