第2部 連合として実現をめざす政策

2-6-12.外国人労働者が安心して働くことができるための環境を整備する。

  1. (1)外国人労働者の人権を尊重し、労働者保護を確保する。

    ①就労資格の有無にかかわらず、外国人労働者の労働基本権、日本人と同等の賃金・労働時間そのほかの労働条件や、安全衛生、労働保険の適用を確保する。

    ②外国人労働者に対して労働関係法令などをはじめとする権利に関する周知を徹底する。また、すべての労働基準監督署やハローワークなどにおいて、申請書類の多言語化なども含め、外国人労働者が母国語で相談や苦情を受け付けることができる体制を整備する。

    ③外国人労働者を受け入れる事業主が、労働条件通知書、就業条件明示書や就業規則等を外国人労働者の母国語や平易な日本語で作成することに対する支援を行う。

    ④育成就労法や上陸基準省令等に明記されている日本人との同等額以上の報酬について、実効性を担保するための判断基準を設ける。

    ⑤外国人労働全般にわたる検討の場を労働政策審議会に設けるとともに、外国人労働者の就労環境整備をはかるための特別な法律を制定する。

    ⑥労働関係法令に違反する事業主に対しては、厳正に対処するとともに、受入れを停止する仕組みを設ける。

    ⑦悪質な仲介事業者等を排除するため、不当な仲介料や手数料等を徴収している登録支援機関や監理団体、職業紹介事業者等については、登録の抹消や許可の取消しを行うとともに、再び受入れることのできない仕組みを設ける。

  2. (2)外国人労働者の受入れ対象は、専門的・技術分野の外国人材とし、在留資格や就労資格の緩和などを通じたなし崩し的な受入れは行わない。
  3. (3)外国人労働者の受入れについては、外国人労働者の保護のあり方はもとより、国内雇用などに及ぼす影響や受入れ外国人材の「生活者」としての権利保障(社会保障、教育、公共サービス、防災、多文化理解の促進など)、更にはこれらに関する社会的コスト負担などの課題があることを認識し、検討プロセスの透明性を確保した上で、総合的かつ国民的な議論を行う。
  4. (4)生活者としての外国人に対する支援や共生施策については、居住する外国人および支援団体等から意見を聴く場を設け、真に実効性ある支援施策とするためのPDCAサイクルを構築する。
  5. (5)外国人の共生・支援を適切にフォローアップする仕組みとして、労使団体を含む多様なステークホルダーが参画する協議会を設ける。
  6. (6)在留資格制度をはじめとする外国人労働者の受入れにかかる各種制度について、以下の通り労働者保護の観点からの整備・改善をはかる。

    ①「専門的・技術的分野」として就労可能な入管法上の在留資格の安易な拡大や要件緩和は行わない。また、医師や看護師など法律上日本の資格を有しなければ就業できない「業務独占資格」はもとより、他の国家資格であっても国家間相互認証はしない。

    ②「高度人材ポイント制」の制度趣旨を没却するような安易な見直しは行わない。

    ③「育成就労」および「特定技能」で受入れる業種・分野について、安易な拡大は行わない。また、受入れ業種における日本人労働者の雇用状況、賃金水準等を定期的に把握し、受入れ停止も含め厳格に判断する。また、両在留資格に係る評価試験については、業種横断的基準を設けるとともに、真に必要な能力を有すると認められる水準・内容に設定する。

    ④外国人技能実習制度について、育成就労制度の施行までの間、国際貢献という制度本旨に沿った運営が行われ、外国人労働者の権利保護がなされるよう、技能実習制度の履行確保をはかる。

    ⑤外国人留学生の本来の目的である勉学に支障をきたすような「資格外活動」による就労を助長する事業主に対する罰則強化などを行い、不法就労を根絶する。

    ⑥国家戦略特区制度を活用した安易な外国人労働者の受入れは行わない。

    ⑦介護分野における外国人労働者の受入れは、介護福祉士資格を取得した者に限る。

    ⑧入国警備官の増員や入国管理局と警察との連携強化などを通じ、不法就労対策を強化する。

  7. (7)FTA/EPA/TPPなどを通じ、外国人労働者の受入れを拡大しない。

    ①相手国の資格を相互承認することで受入れを拡大しない。

    ②看護・介護分野は、労働条件や雇用環境、日本語による意思の疎通、出稼ぎによる家族離散、送出し国の頭脳流出などの課題があり、安易な受入れを行わない。

    ③看護師・介護福祉士候補者について、実態を検証した上で資格試験に向けた日本語教育などのさらなる支援の充実、制度の抜本的な改善を行う。また、不合格者の母国での就職支援を要請するなど、残留を合法化する制度改正を行わない。

    ④プライバシーに配慮しつつEPAにより受入れた労働者の処遇・労働条件などを調査し、調査結果を公表する。また、労働者への母国語による相談体制を確立する。

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