- (1)政府は、地方自治体、民間事業者、NPO、協同組合など多様な担い手が地域課題を共有し対話できる場を各都道府県に設置するとともに、提案型モデル事業を展開するための交付金を復活するなど、「新しい公共」の推進をはかる。
- (2)国民本位の行政を行うため、ILO勧告(注4)に従って、公務員の労働基本権を保障し、公正で能率的に職務を遂行でき、職務能力を高められる公務員制度を構築する。
①一般職の公務員には、原則として労働三権を回復し、団体交渉を基本とした給与・勤務条件決定の仕組みを導入する。また、非現業職員にも不当労働行為救済制度を適用する。
②刑事施設に勤務する職員、消防職員に団結権を認め、労働組合を結成する権利を回復する。
③一般職の公務員に対し、労働組合法、労働基準法、労働関係調整法を適用する。また、雇用保険の適用について検討を行う。
④行政組織方針や国民のニーズに応える行政のあり方など、団体交渉になじまない課題について、労使が意思疎通を深めるための労使協議制度を設ける。
⑤労働委員会に公務部門を担当する委員を配置し、賃金などの団体交渉が不調に終わった場合、労働委員会が斡旋、調停、仲裁を行う制度とする。
- (3)労働組合参加により人事処遇制度を構築し、公平、公正な人事処遇、人事評価とする。
①一般の公務員(含む管理職)の人事処遇は、職務・職責に応じて行うものとし、その職務・職責に対応する処遇内容を労働組合との交渉・協議を通じて定め、適用する。
②人事評価に関する制度や、その運用のあり方などは、勤務条件事項またはそれに密接に関わる事項であることから、労使間で交渉・協議する。
③縦割り行政を廃し、職務・職責を適切に遂行できる人材を配置・育成するため、各府省間の人事交流、配置転換、関係団体などへの出向・派遣に関わるルールを定める。
④公務員の賃金体系については、自律的な労使関係を構築する中で、労使での十分な協議、検討のうえで決定していく。
- (4)採用区分にとらわれない登用や民間などの有為・有能な人材の活用などにより、公務能率向上をはかるとともに、ワークライフバランスの実現に対応するため、中途採用、任期付採用の拡大や、短時間勤務制度など、多様な勤務形態の導入・活用を行う。公務員の民間企業派遣については、労働組合との交渉・協議に基づき派遣基準を定める。
- (5)国の非常勤職員制度の抜本改革のため、労働組合が参加する検討の場を設置し、政府全体として解決に向けた取り組みを推進する。当面、国の非常勤職員の任用は、同一労働・同一賃金を基本とした明確な法規定を設け、勤務条件などについて、常勤職員に適用している法令、規則を適用する。
- (6)採用試験制度の再編や幹部候補育成課程などの整備を踏まえ、採用試験の別によらない、能力・実績に基づく人事管理を徹底するとともに、再就職規制などの透明で厳格な運用を進める。
- (7)公務員に対する基本的人権の制限は、公務員としての職責を果たすために必要最小限の範囲にとどめる。
①不法、不当な職務命令を排除する不利益取り扱いの禁止を法定する。
②政治的行為の制限規定について、一般の公務員(除く管理職)は一定条件の政治活動を行いうるものに改める。
③信用失墜行為に関する服務規定について、公正・公平な基準を示す。
- (8)総人件費の抑制や行政改革の実施により、行政機関・独立行政法人などに働く者の労働条件、雇用に影響が予想される場合には、必ず事前に関係労働組合との交渉・協議を行い、労働条件の維持、雇用の確保に万全の対策を講ずる。
- (9)国家公務員制度改革にあわせ、地方自治を支える基盤として地方公務員制度改革を行う。
①ILOにおける国際労働基準に沿い、地方公務員の労働基本権を確立する。
②地方公務員制度は、地方自治体および労使間の自主性・自律性を尊重するものとする。
③臨時・非常勤職員の処遇改善に向けて、地方公務員法、地方自治法などについてパートタイム・有期雇用労働法の趣旨を踏まえた更なる改正を行う。加えて、これら処遇改善に向けて適宜必要な予算措置を行う。
- (注4)ILO勧告 ~2002年2月に連合がILO結社の自由委員会に提訴した日本の公務員制度改革案件(第2177号案件)に対する同委員会の審査報告書が同年11月にILO理事会において採択され、報告書の中で日本政府に対して、労働側の主張を受け容れ、日本の現行公務員制度はILO条約(結社の自由・団結権保護、団結権・団体交渉権)に違反しており、すべての関係者と全面的で率直な協議が直ちに実施されるよう勧告したもの。これまで12回の同案件に関する勧告が出されている。