- (1)NPO法人等の活動を支援する措置を強化する。
①NPO法人が行う介護サービス事業は、社会福祉法人の場合と同様、非課税とする。
②NPO法人についても、一般社団法人と同様に基金制度(出資金を債務でなく資産に計上できる仕組み)を使えるようにする。また、公益財団・社団法人についても、準じた措置を講じる。
③各自治体において、NPOなど市民活動団体を支援するため、自分の納税する住民税の一部について市町村を通じて寄附する仕組みを創設する。
④大規模自然災害の発生時における義援金や被災地支援を行うNPO法人などへの寄附金にかかる所得税、個人住民税、法人税の控除適用を迅速化するため、寄附金指定の仕組みを恒久化する。
- (2)住宅関連の負担軽減措置として、下記の措置を講じる。
①住宅取得に要した借入金がある場合は各年の返済金にかかる利子相当額の、賃貸住宅に居住している場合は支払い家賃額の、それぞれ一定割合を各年分の所得税額から控除する、「家賃・ローン利子比例税額控除制度」を恒久措置として創設する。その際、一定の所得制限を設ける。
②新築住宅にかかる固定資産税の軽減期間を10年に延長する。
③個人住宅における耐震やバリアフリー、省エネのための改修工事と長期優良住宅に対する促進税制について、内容を拡充し、期間を延長する。
④現行の「住宅ローン減税」適用者が家族帯同で転居を伴う転勤をする場合は、減税措置を中断しないこととする。
⑤居住用財産の譲渡損失の繰越控除期間を5年に延長する。
- (3)退職後の所得確保などに向けて、中長期の資産形成を支援する税制の拡充をはかる。
①財形年金貯蓄および財形住宅貯蓄の利子非課税限度額(現行550万円)を1,000 万円に引き上げるとともに、公的年金支給開始年齢が65歳となることに対応し、契約締結時60 歳未満の労働者を対象とする。
②貯蓄額が利子非課税限度額を超えた場合の課税方法を、非課税貯蓄額を超えた部分のみに課税するよう改める。
③退職後の所得確保に向けて、公的年金や企業年金を補完する個人の資産形成努力に対する税制上の措置について、資産形成手段の多様化などを踏まえ、利便性向上や充実に向けたあり方を格差是正にも留意しつつ検討する。
④退職給付である企業年金と自助努力である個人年金は性格が異なるため、税制上の取扱いを区別する。その上で、企業年金は労使合意に基づいて行われるものであり、労使自治を尊重する制度とする。個人年金は、高所得者優遇とならないよう考慮しつつ、すべての人が自助努力への支援を公平に受けられるようにする。
- (4)国民が将来の不安に備え社会保障でカバーできない部分について行う自助努力に対して、税制での支援を積極的に拡充・改善する。そのため、遺族、年金、医療、介護、地震など自然災害の保障にかかる各種保険料控除の拡充をはかる。
- (5)自然災害の激甚化と生活再建の長期化を踏まえ、現行の雑損控除から自然災害による被害の損失にかかる控除を分離し、「災害損失控除(仮称)」を創設する。
- (6)障害者雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金等の益金不算入等、雇用拡大を支援する。
- (7)雇用労働者の能力開発を促進させる観点から、研修・資格取得費用の負担を軽減する「自己啓発税額控除」を検討する。
- (8)デジタル・トランスフォーメーション(DX)など技術革新の対応をはじめ、企業におけるイノベーションの創出およびオープンイノベーションによる新たな価値創出に資する研究開発の強化をはかるため、研究開発税制の拡充をはかる。
- (9)自動車関係諸税を軽減・簡素化する抜本改革を行う。
①いわゆる「当分の間税率」を廃止する。また、課税根拠を失っている自動車重量税を廃止する。自動車の取得・保有・走行に関わる税のあり方を抜本的に見直し、軽減・簡素化をはかる。税体系は、環境性能の高い自動車や安全で自由な移動の確保につながる自動運転車の開発・普及促進に資するものとし、物流・公共交通機関(バス・タクシー・トラック)および軽自動車に軽減措置を講じる方向で検討する。
②今後の次世代自動車(電気自動車、燃料電池車など)の普及状況、自動運転技術の進展、自動車シェアリングの動向、ならびに道路など社会インフラ維持や移動の自由を確保するために必要な費用分担のあり方を踏まえ、地方財政に配慮しつつ、保有・利用を通じた課税根拠や税率のあり方を総合的に整理し、自動車関係諸税の軽減・簡素化をはかる。
- (10)総合的な交通政策の視点から、物流・公共交通に対して、適切な税財政上の措置を講ずる。
①インフラ整備や事業運営についての国・地方・事業者等の責任と役割を明確にし、総合的な交通政策推進に資するよう、税と予算のあり方を見直す。
②政策目的を踏まえ、固定資産や燃料に関わる税の軽減措置等を講ずる。
- (11)大規模空港整備が終了した現在、その役割を終えた航空機燃料税を廃止・縮減する。
- (12)地球温暖化対策税については、以下の観点から、政策効果、国民負担の動向などを検証し、改善をはかる。
- 国民生活への影響に対する配慮と特定の産業・企業に過度な負担とならないよう現実的な税制とする。
- 化石燃料の最終消費段階で広く薄く負担をすることを基本とする。
- 税収は、地球温暖化対策に資するエネルギー対策、技術開発等に使用し、雇用創出に結びつける。
- 国内排出量取引制度等との二重の負担とならないよう調整する。
- 原料用の石油・石炭等は非課税とする。
- 物流・公共交通機関、農林漁業、石油化学産業等に負担軽減措置を講ずる。
- 税負担の明示やCO2の見える化をはかり意識喚起を行う。
- (13)各種税制のグリーン化(環境への負荷を軽減するために政策誘導する税制)をはかる。エネルギー基本計画などを踏まえ、再生可能エネルギー投資にかかわる税制措置などを総合的に見直すとともに、税制や省エネに関する各種制度の政策効果を検証し、より有効な組み合わせを検討する。
- (14)既存の目的税・特定財源は、その目的に照らして、歳出内容を厳格に評価し、かつ、その役割や税の負担割合についても評価結果にしたがい、必要な見直しを行う。
- (15)地方自治体は、森林環境保全にかかる独自課税について、森林環境税および森林環境譲与税との二重課税とならないよう、住民の意見を踏まえつつ税収の使途や課税内容を見直す。
- (16)労働債権を公租公課より優先するものとするため、国税徴収法第19条に「一般先取特権を有する労働債権は国税より優先するものとする」ことを追加する。
- (17)国際レベルで資金の投機的な動きを抑制するため、金融取引税などの国際連帯税導入について、国内における合意形成と国際合意を早期にはかる。その税収は主に貧困撲滅や気候変動対策の財源として活用する。