- (1)国は、「石綿健康被害基金」に資金拠出する「特別事業場」について、その認定要件から労災認定件数を除外するとともに、企業の拠出負担のあり方を再検討し、「石綿健康被害基金」に対する国の負担を増額する。
- (2)国・地方自治体は、今後、増加が予想される石綿を含有する建築物・工作物等の解体・改修、アスベスト廃材の運搬に際して、十分な飛散防止対策を徹底する。また、石綿の実態調査および補助金制度を強化するとともに、専門家の養成を強化する。さらに、石綿の飛散を低減できる解体・廃棄物処理方法を研究するとともに、国の積極的支援のもとで安価な無害化(非繊維化)技術の開発・普及を促進する。
- (3)国・地方自治体は、資産除去債務に関する会計基準にもとづき、既存の建築物などに存在する石綿について、実地調査を実施したうえで、当該建築物を所有する企業・団体の資産除去債務として計上することを促進させる。
- (4)国・地方自治体は、2016年12月に成立した「改正がん対策基本法」にもとづき、中皮種などの難治性で患者数の多くないがんの研究体制を確立するとともに、石綿を原因とする疾患の確定診断ができる拠点病院を整備し、早期発見と早期治療を迅速に実施する。
- (5)国・地方自治体は、石綿ばく露の可能性や専門医療機関の紹介・案内、石綿を原因とする疾患の自覚症状などに関する広報を積極的に行う。
- (6)国は、中皮腫を含む予後不良な疾病について、2035年に発症のピークを迎えるという予測を踏まえ、抗CTLA-4抗体、抗PD-1/PDL-1抗体などの免疫チェックポイント阻害薬の治験を加速するとともに、中皮種に対する免疫療法全体の費用を低減させる。また、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が現れない事例のメカニズム解明を進める。
5.くらしの安心・安全の構築|環境政策