能登半島地震の教訓を踏まえて災害対策を強化するため、2025年に災害対策基本法等が改正された。これにより、国による地方公共団体の支援体制の強化、被災者援護協力団体の登録制度の創設、地方公共団体の物資の備蓄状況の公表の義務化、被災者への福祉的支援の充実などの措置が講じられることとなった。
被災者援護協力団体の登録制度(図1)は、避難所運営などに協力するNPOなどを国が登録し、平時から自治体などと顔の見える関係をつくり、発災後は連携して被災者支援にあたることをめざすものである。登録団体は市町村から被災者の情報を提供されたり援護業務を委託されたりする可能性があるため、政府は登録審査を厳格に行うとともに、人権意識に基づいた質の高い被災者援護が展開されるよう、地域での訓練や研修を通じた育成を支援することが求められる。
物資の備蓄状況の公表については、単に公表するだけでなく、広域災害にも対応しうる備蓄が行われる仕組みの構築が必要である。激甚災害が頻発するいま、こうした取り組みを徹底し、地域防災力を向上させることが喫緊の課題である。
また、事前防災を強化し、災害発生時に被災者の安全と人権を確保して生活再建と復旧・復興を進めるには、災害対応の司令塔となる組織が重要である。他方で、災害対応の基本となる災害対策基本法や災害救助法に関しては、国、都道府県、市町村、事業者、NPOなどの役割分担が不明瞭であるといった課題も指摘されている。
こうした課題に対応するため、防災庁を十分な体制で速やかに設置し、平時の事前防災から発災時の対応や復旧・復興まで、関係主体の調整と協働が適切に行われるよう、役割分担の見直しなどを行うべきである。
