2025年度重点政策|9 教育機会の均等実現と学校の働き方改革を通じた教育の質的向上

9 教育機会の均等実現と学校の働き方改革を通じた教育の質的向上

社会全体で子どもたちの学びを支えるため教育費の無償化を
~教職員が子どもと向き合う時間の確保、きめ細かな教育のために学校の働き方改革を~

政府は「人への投資」の一環として、教育費の負担軽減を推進している。連合は、その方向性に賛同しつつ、教育機会の格差を通して親から子へと引き継がれる「貧困の連鎖」を断ち切るため、就学前教育から高等教育まで、すべての教育にかかる費用の無償化を行い、社会全体で子どもたちの学びを支えることを求めている(図1)。とりわけ、初等・中等教育における学習指導上必要な教材などの無償化、GIGAスクール構想における国費による端末の保守・更新の着実な実施とあわせて、高校への端末整備についても国において予算化すべきである。
また、教職員の労働環境は非常に厳しい状況にある。文部科学省による「教員勤務実態調査(2022年度・確定値)」(2024年4月に公表)では、「小学校・教諭」の14.2%、「中学校・教諭」の36.5%が過労死ラインに相当する1週間の総在校等時間60時間以上の実態にある(図2)。
第217通常国会では、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、給特法)」の改正により、約50年ぶりに教職調整額が引き上げられることとなった。今回の改正は、教職員の処遇改善としては一歩前進であり評価できるものの、長時間労働是正策は不十分である。労働基準法第37条の適用や、安全衛生法の観点から在校等時間の位置づけを明確化し、安全配慮義務を課した上で人事委員会が労働基準監督機関としての職権を行使できる体制にするなど、給特法の抜本的な見直しが必要である。
あわせて、教員が子どもと向き合う時間を確保し、きめ細かな教育を行うため、連合は、教職員の定数改善などによる配置増、部活動の学校から地域クラブ活動への着実な移行、外部人材の活用も含めた負担軽減による学校の働き方改革の実現を求めていく。

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