2025年度重点政策|8 東日本大震災からの復興・再生と防災・減災対策の充実

8 東日本大震災からの復興・再生と防災・減災対策の充実

激甚化・頻発化する自然災害に備え、多様な意見を踏まえた防災・減災対策の推進

近年、大規模災害や複合災害が多発する中、人命を最優先にした防災・減災対策が求められている。また、能登半島地震で浮き彫りとなった課題を踏まえ、早期復旧・復興を念頭においたライフラインの整備、被災者に寄り添った支援や避難所のあり方などの改善が重要となっている。
東日本大震災では、障がい者、高齢者、外国人、妊産婦などに対する情報提供、避難、避難生活などの対応が不十分であった。そのため、2013年の災害対策基本法改正により、災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障がい者など、「避難行動要支援者」の名簿作成が市町村の義務となった。
さらに、避難支援などの実効性確保に向けて、2021年の改正では、「避難行動要支援者」に対する個別避難計画を策定することが市町村の努力義務とされた。しかし、2024年4月現在、市町村の8.2%が未策定、策定していても過半数の市町村では「避難行動要支援者」の20%未満に対する策定にとどまり、未だ実効性確保に課題が残る(図1)。
また、災害時には、女性や子どもに対する暴力や必要な物資が行き届かないなど、避難所のあり方に関する課題がこれまでも繰り返し指摘されてきた。能登半島地震においても、女性と男性では災害から受ける影響やニーズが異なるにも関わらず、避難所などで女性の視点によるニーズ把握や環境改善ができていなかった。
加えて、各市区町村における防災・危機管理部局の女性職員割合は平均11.5%と低く、平時からの防災・減災対策に女性の視点が活かされているとは言い難い(図2)。
あらゆる防災・減災対策に女性の視点を反映するためにも、「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」の活用や、防災担当部局や災害対策本部に女性職員を配置する取り組みを強化していくことが重要である。

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