2024年度重点政策|5 ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現

5 ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現

困難な問題を抱える女性へのセーフティネット強化

 女性の雇用労働者のうち、約半数は有期・短時間雇用のいわゆる非正規雇用であり、コロナ禍において、突然の解雇・雇止めなど雇用の脆弱性が顕在化するとともに、DV相談の増加、生活不安などによる女性の自殺率の増加など、苦境に立たされる女性像が鮮明になった。
 生活困窮や性暴力・性被害、DVなど、以前より女性が抱える困難な問題については認識されていたが、こうした問題が多様化するとともに複合的に絡み合っており、困難な問題を抱える女性に対しての包括的かつ切れ目のない支援が求められている。
 こうしたことを踏まえ、日常生活や社会生活を円滑に営むうえで困難な問題を抱える女性に対して、一人ひとりが抱える問題や背景、心身の状況などに応じた支援を行い、安心して、かつ、自立して暮らせる社会実現のため、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(以下、困難女性支援法)が2024年4月に施行された(図1)。
 困難女性支援法は、女性が抱える困難な問題やその背景、心身の状況などに応じた最適な支援を受け、自立のための援助などの支援を包括的に提供する体制整備を目的としており、政府は、困難な問題を抱える女性に対して独自の支援を実施しているNPOや民間団体に対する支援を強化するとともに、政府や自治体の関係機関との緊密な連携により、法の実効性を確保する必要がある。
 また、困難女性支援法の附則第2条において、支援の質を公正かつ適切に評価する仕組みの構築について検討を加える旨が明記されている。政府はPDCAサイクルを確立し、支援を受ける女性のプライバシーをはじめとする権利擁護のため、支援を評価する仕組みや官民の連携のあり方などについて確認・検証していくことが求められている。

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