2026年度重点政策|4 雇用の安定と公正労働条件の確保

4 雇用の安定と公正労働条件の確保

組織再編時等における労働者保護ルールの整備・見直しを

近年、物価高や人手不足等による倒産が相次ぐほか、グローバル化や技術革新の進展などによる企業組織の再編等が増加している。特に事業譲渡においては、労働者の雇用や労働条件にも大きな影響が及ぶことが少なくない(図1)。2000年には労働契約承継法が成立し、会社分割に関して「雇用の引継ぎ」「労働者への通知」「労働組合等との協議」などのルールが整備されたが、それ以降、組織再編に際しての労働者保護ルールにかかる法整備は進んでいない。
そうした中で、政府は、企業の資金調達の円滑化などを目的に、労働契約を含む企業の総財産を担保とする企業価値担保権を創設した(事業性融資推進法、2026年5月施行)。法案の国会審議では、組織再編時における労働者保護の必要性が繰り返し指摘され、法制化を含め速やかな検討を行う旨の附帯決議が付された。
同附帯決議を踏まえ、2025年3月より労政審の組織再編部会において、組織再編時の労働者保護について議論が行われ、同年11月、まずは事業譲渡等指針(図2)を改正し、企業価値担保権の実行により事業譲渡が行われる際の対応が明記されることとなった(図3)。
しかし、事業譲渡時については、会社分割と異なり、雇用の引継ぎや労働組合等との協議などのルールが法制化されていないため、実効性が担保されていない。そうした現状などを踏まえ、今後、組織再編部会において、組織再編全般を対象に労働者保護のあり方についての議論が予定されている。
勤め先企業が組織再編等に直面しても、労働者が安心して働き続けることができるよう、事業譲渡、合併など、あらゆる再編時において、労働組合等への事前の情報提供や協議の義務づけ、労働契約の承継など、労働者保護ルールの法制化を早急に行うべきである。

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