横断的な項目|男女平等政策

2-27-6.人権を冒とくする性の商品化や暴力を許さない社会づくりを推進する。

  1. (1)政府は「第5次男女共同参画基本計画」(2020年12月決定)の「第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶」に記載されている施策について迅速かつ着実に実行する。
  2. (2)女性に対するあらゆる暴力(パートナーからの暴力(DV))、性犯罪、売買春、ストーカー行為、セクシュアル・ハラスメントなどを根絶するため、「女性に対する暴力をなくす運動」(毎年11月12日から女性に対する暴力撤廃国際デーである11月25日までの期間、内閣府男女共同参画推進本部)を中心に、社会認識の徹底、意識啓発や情報周知などの充実をはかる。また、商業的な目的で行われる未成年の性的搾取に対する規制を強化するとともに、偽装請負に対する取り締まりなど性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化する。ストーカー対策においては、加害者への説得を行える体制を地域ごとに整備するなど、性の商品化や暴力への対策を講じる。
  3. (3)性の商品化や暴力を許さない社会づくりに向け、「性暴力被害者支援法」を制定する。

    ①法の目的において、性暴力の被害者が、尊厳を回復し、基本的人権が尊重される旨を記載する。

    ②法は、性暴力の被害者の人権と自己決定を尊重し、困難からの自立に向け、従来の相談、一時保護、施設利用に加えて就労支援など地域生活における中長期かつ切れ目のない支援を行うことを明記する。

    ③関係機関の連携により、個々の事情に応じた支援を行う。

    ④医療費・検査費用等は公費負担とする。

    ⑤専門性の確保や人権への配慮、プライバシー保護の担保のため、関係機関等は研修等を実施する。

    ⑥広く暴力被害等に関する教育・啓発を実施する。

  4. (4)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」について、緊急保護命令違反に対する罰則強化、デートDV(恋愛カップル間暴力)被害者保護、対象に同性カップルなどあらゆる形態の家族を含めることや、加害者を自宅から出て行かせる別居命令、暴力を受ける子どもへの単独の保護命令を可能とすることなどの見直しを行う。
  5. (5)国および地方自治体は、性別にかかわらずすべての暴力(性犯罪、性暴力、DVなど)の被害者の支援体制の充実をはかる。

    ①配偶者などからの暴力相談支援センター機能を充実し、全市区町村での設置を促進する。

    a)相談、緊急時の一時保護、居住施設の確保、保護命令制度の周知徹底など、女性相談支援センターの相談保護体制の強化と全政令指定都市への設置など、施設整備の充実をはかるとともに、全市区町村に女性相談支援員等の相談窓口の設置を進める。

    b)女性相談支援員の専門性の向上と雇用の安定をはかり、心理療法担当職員の増員、医療機関との連携など緊急一時保護体制を強化する。

    c)官民の資源を活用した被害者保護の受け皿づくりを進め、母子生活支援施設や民間シェルターなどがDV被害者への安定した支援を行うよう連携強化する。

    d)保護された母子への心理的ケアの充実をはかるため、児童家庭支援センターや児童相談所との連携をはかる。保護期間中は通学できない同伴児童のために学習指導員の配置を行う。

    ②性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを全国に設置し、性犯罪・性暴力被害者の保護と支援の受け皿づくりを促進する。

    a)性犯罪被害者のニーズに寄り添った支援を実施するため、二次被害を受けることなく1カ所で法的・医学的(心身両面)・心理的・社会的支援を受けることができるワンストップ機能を確立する。

    b)医療関係者、弁護士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、支援者、NPOなど、地域で活用できる資源を結集し、24 時間対応可能な緊急保護体制を整備する。

    ③外国人に対する通訳や在留資格手続きなどの支援を進める。

    ④女性警察官の増員など、関係各機関における女性担当者の増員や、相談担当者に対する研修の実施など、二次的被害の防止をはかる。

    ⑤性犯罪・性暴力の専門的知識を有する司法へのアクセスを確立する。

  6. (6)加害者には、適切な更正プログラムを受講させるなど、再発防止の体制を確立する。
     
  7. (7)性的な被害、家庭の状況などにより日常生活または社会生活を円滑に営む上で困難を抱える女性およびその恐れのある女性に対し、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(2024年4月1日施行)にもとづき、多様な支援を包括的に提供する体制を整備する。

    ①NPOなどの民間団体に対する支援を強化するとともに、関係機関と民間団体との緊密な連携により支援の実効性を確保する。

    ②支援を受ける女性のプライバシーをはじめとする権利保護のため、支援を評価する仕組みや官民の連携の在り方について継続して検討を行う。

  8. (8)国は、人権擁護の観点から、人身売買(トラフィッキング)について、以下の取り組みを実施する。

    ①「人身取引対策行動計画2014」にもとづき、未然防止策を強化する。

    ②2014年7月に出された「国連自由権規約委員会」勧告を踏まえ、人権に配慮した被害者の保護と帰国、再定住までのきめこまかなフォロー体制を構築する。

    ③被害者支援の強化に向け、民間シェルターなどへの積極的な支援を行う。

  9. (9)国は、性犯罪、性暴力被害者の人権擁護を強化する。

    ①性暴力被害者の人権擁護の強化、二次的被害を受けないよう事件の立証のあり方について改善するため、いわゆる「レイプシールド」(注5)を被害者の権利として法制化する。

    ②教職員、警察官、女性相談支援員、人権擁護委員、民生委員、児童委員、 家庭裁判所調停員、裁判官などの対応者側に、セクシュアル・ハラスメント、配偶者からの暴力、つきまとい行為(ストーカー行為)、児童虐待などについての理解を深める研修と最新の情報提供を行う。

    ③被害者の人権擁護の強化をはかるために、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ法)」の法改正を早期に実現する。

    ④性犯罪の事実認定における暴行・脅迫要件を削除し、国連女性差別撤廃委員会の勧告にもとづき、対象に配偶者の強姦も含めるものとする。

    ⑤性犯罪・性暴力被害に対する予防教育を関係機関が連携して取り組むよう改善する。

  10. (10)「児童買春、児童ポルノ禁止法」の確実な履行と施設の充実をはかるため、中央・地方行政は、子どもの人権に関する相談・一時保護・広報などを行う窓口または支援センターなどを設置する。
  11. (11)子どもを有害情報(性の商品化、暴力表現など)から保護するために、報道・表現の自由に留意しつつ、放送・新聞・出版などマスメディアに対して、自主的な規制機関の設置や機能の充実を強く求め、受け手側から苦情や意見の申し立てが簡便にできる仕組みを提供させる。 インターネット上の「子どもポルノ」など有害情報を排除する対策を講じ、子どもの商業的性的搾取に関する取り組みを強化する。「ネット上のいじめ問題」への対策を強化する。 また、子ども自身のメディア・リテラシー(注6)向上のための支援を積極的に行う。
  1. (注5)レイプシールド ~犯罪事実とは無関係の被害者の過去の性遍歴等を暴いたり、証拠として提示することを禁止することについて、アメリカをはじめ欧米各国で法整備されているが、日本では未整備。
  2. (注6)メディア・リテラシー ~メディアからもたらされる膨大な情報を、各人が無批判に受け入れるのではなく、批判的に読み解く力をつけること。

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