横断的な項目|男女平等政策

2-27-2.男女平等社会実現に向け、男女共同参画社会基本法にもとづく「第5次男女共同参画基本計画」を着実に実行し、男女平等の視点に立った社会制度・慣行の見直しを推進する。

  1. (1)「男女共同参画社会基本法」の理念を達成するために以下の施策を推進する。

    ①第5次男女共同参画基本計画の実行の監視等を担う「計画実行・監視専門調査会」について、女性差別撤廃条約の履行状況ならびに第5次男女共同参画基本計画の施策の実施状況を継続的に監視し、定期的に施策を評価できるモニタリング機関として、実効性を持たせるための権限と機能を強化する。

    ②「男女共同参画基本法」をあらゆる機会・媒体などを通じ、国民各層に広く周知する。 また、基本法(基本計画)の趣旨に沿い、政府は、市町村における基本計画の策定、条例化に資するよう、情報提供などの支援を行う。

    ③都道府県の「男女共同参画基本計画」の達成状況を監視し、都道府県に対して勧告する権限を有する評価委員会を設ける。委員会は、当該地域の労働組合、経済団体、NPO・NGO、女性団体などで構成する。

    ④調査や統計における統計情報の提供にあたって、男女別統計(ジェンダー統計)の整備を、国、地方自治体、公的機関に義務づけるとともに、すべての民間団体、機関は男女別統計の収集・整備・提供に努めることとする。

  2. (2)政府は「第5次男女共同参画基本計画」を着実に実行する。

    ①国、地方自治体、公的機関などは、2020年12月に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画」にもとづく「2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指し、その通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取り組みを進める」との目標の達成に向けて、さらに踏み込んだポジティブ・アクションの実行等を通じ、女性の参画拡大を進める。

    ②民間部門でも「2020 年 30%」の目標の周知徹底をはかり、さらなるポジティブ・アクションの実行について国は指導する。

    ③男性の多い理工系分野への女性の進出を積極的に推進するため、女性教員および女子学生の割合向上に加え、企業のジェンダーバイアス払拭など、理工系女子学生の就職にあたっての課題についても取り組みを進める。

    ④国は、メディアに関わる業界における女性の参画を拡大するよう働きかける。

    ⑤国および地方自治体が設置・開催する防災・復興会議や、災害時の避難所の運営などの現場の意思決定などの防災・復興に関するあらゆる意思決定の場への女性の参画を拡大する。

    ⑥国は、個人のライフスタイルの選択に中立的な税・社会保障制度へと見直す。

    ⑦女性の人権と平等を確保するため、国は、個人通報制度と調査制度を有する女性差別撤廃条約選択議定書を早期に批准する。

    ⑧2030年までに、指導的地位に女性の占める割合を50%にすることを目標とし、2020年以降も、あらゆる分野における女性の積極的参画を達成するため、さらなる取り組みを加速させること。

  3. (3)男性自身が持つ固定的性別役割分担意識の解消に向け、長時間労働を前提とした働き方や介護等の困難を一人で抱えがちな傾向について、ジェンダーの観点からさらなる調査研究を進め、「男女共同参画社会」を効果的に推進する。
  4. (4)雇用の場におけるポジティブ・アクションを推進する。

    ①公契約基本法を制定し、各府省の公共調達において、「男女共同参画」等に積極的に取り組んでいる企業を優先する。地方においては、公契約条例を制定し、「男女共同参画」等に積極的に取り組んでいる企業を優先する。

    ②行政分野において、男女が同等の成績である場合に女性を採用・登用する「プラス・ファクター方式」を採用する。

  5. (5)2018年5月に施行され、2021年6月に改正された「政治分野における男女共同参画推進法」の実効性を高めるため、クオータ制導入に向けた必要な法整備を行う。また、政党による女性議員の発掘・育成を支援するために、女性議員の割合に応じた政党交付金の傾斜配分などの制度支援を行う。さらに、候補者・議員の仕事と生活の両立を支える環境整備や、あらゆるハラスメントを対象とした対策の強化を行う。(「政治改革3.(2)③」より一部再掲
  6. (6)性別にもとづく固定観念にとらわれない視点から、公的機関の策定する広報・出版物における表現は、国の「男女共同参画の視点からの公的広報の手引き」にしたがうよう周知・徹底をはかる。また、マスメディアから受ける影響も大きいことから、民間についても準拠するよう指導する。
  7. (7)男女平等社会実現に向けて、民法を下記のとおり改正する。

    ①選択的夫婦別氏制度を導入する。ただし、別氏を選択した夫婦の子の氏については、その出生の際に、父母の協議により、子の称する氏を父または母いずれかの氏とする。

    ②親族・扶養義務者の範囲を縮小の方向で見直す。

    ③無戸籍の要因ともなっている嫡出推定については、2022年の民法改正により見直しがはかられたが、無戸籍者問題の全面的な解消には至っていないため、婚姻中に懐胎し、離婚後300日以内に出生した子の父親を前夫とする嫡出推定規定そのものの存廃も含め、無戸籍者を生じうる民法上の規定のさらなる見直しを求める。

    ④戸籍法を改正し、出生届書の嫡出子と嫡出でない子の別の記載事項をなくす。

    ⑤同性パートナーの権利保障のため事実婚に準じた扱いとすることや、戸籍変更要件の緩和など、性的指向や性自認に関する課題の解消に向けた民法の整備を進める。

  8. (8)改正民法(家族法)に関して、下記のとおり対応する。

    ①改正民法(家族法)施行までの間に、法が円滑に施行され、子の福祉を確保するための措置が適切に講じられるよう、関係府省庁・関係機関が連携するための体制整備を行う。

    ②改正民法(家族法)施行までの間に、法の施行に伴い、税制、社会保障制度や社会福祉制度などにおいて子に不利益が生じることがないよう、関係府省庁・関係機関が連携して必要な対応を行う。

    ③改正民法(家族法)施行までの間に、子の権利利益の確保のための父母の責務の明確化などの法の趣旨および国会審議の内容や、関係府省庁・関係機関の連携による対応内容について、国民、地方公共団体、学校および病院をはじめとした現場への十分な周知や啓発活動を行う。

    ④改正民法(家族法)施行によりDV・虐待のある事案など多様な問題に対する判断が求められる家庭裁判所の人的・物的体制の強化や専門性向上を行う。

    ⑤改正民法(家族法)施行後に、法の運用状況について公表するとともに、法による子の利益の確保の状況、DVや児童虐待などを防止して親子の安全・安心確保に資するものとなっているかなどについて検証し、必要に応じて制度の見直しについて検討を行う。

  9. (9)男女平等の視点に立った学校・社会教育を推進する。

    ①人種、民族、宗教、肌の色、性別、年齢、疾病、障害、門地、性的指向・性自認等による人権侵害を解消し、人権意識を高めるための教育を行う。(「教育政策2.(2)②」より一部再掲

    ②ジェンダー平等教育のための基本方針を策定し、教職員や社会教育主事などに対する研修を行う。また、教科書の見直しや教材開発、性別で分けない名簿を進めるとともに、スクール・セクシュアル・ハラスメント防止に努める。(「教育政策2.(2)②」より一部再掲

  10. (10)性やライフスタイルに中立な税・社会保障制度を確立する。

    ①第1号被保険者の育児期間における保険料免除措置の財源は、国民年金財政で負担することを基本としつつ、公平なあり方を検討する。(「年金政策2.(2)⑨」より再掲

    ②第3号被保険者制度を将来的に廃止する。廃止に向けて、第3号被保険者の生活実態の分析も含めた検討を行う会議体を早期に設置するとともに、以下のとおり対応する。(「年金政策1.(1)①)」より一部再掲

    a)まず、第3号被保険者を縮小するため、新たに第3号被保険者になることができない制度とする。次に、10年程度の期間を設けて、既第3号被保険者については以下の要件を満たさない場合、第1号被保険者となる。その際、世帯単位で見て低所得者への年金保険料の減免措置を設ける。
    ア)最初の5年程度の期間で、第3号被保険者の配偶者に「年収850万円未満」または「所得が655万5000円未満」との所得制限を設ける。 イ)次の5年程度の期間で、前述の年収・所得要件に加え、第3号被保険者本人に、子ども(18歳の誕生日の属する年度末まで、または20歳未満で1級または2級の障害の状態にある婚姻していない子どもに限る)を養育する親との要件を設ける。

    b)以下の考え方にもとづく改正とともに、上記を経ても第3号被保険者である人については第1号被保険者に区分することで、第3号被保険者制度は廃止となる。
    ア)過去に第3号被保険者期間があった受給者の基礎年金は減額しない。 イ)廃止時点で第3号被保険者である人、受給者ではないが過去に第3号被保険者であった期間がある人について、第3号被保険者としての加入期間は、保険料納付済期間として将来の基礎年金は減額しない。 ウ)公的年金制度における次世代育成支援の観点で、育児期間中の社会保険料免除措置を拡大(例:「子が小学校入学までの期間」など)する。 エ)様々な事情により働くことができず無年金となる人、受給資格期間を満たしたとしても低年金の人に対しては、生活手当(仮称)などの加算で対応する。

    ③遺族厚生年金について、以下のとおり見直す。(「年金政策2.(2)⑩」より再掲

    a)当面、遺族年金の支え手である被保険者の年収とのバランスをはかる観点から、年収850万円未満の遺族に支給される現行制度について、遺族となった者の年収に応じて、年収 600 万円程度から段階的に年金額を調整する仕組みに改める。また、適用認定については、毎年の年収をもとに認定する仕組みに改める。

    b)遺族厚生年金の支給要件の男女差については、将来の遺族年金のあり方、方向性と整合性をはかりつつ、格差解消に向けて見直す。

    ④配偶者控除は、扶養税額控除に整理統合する。(「税制改革2.(1)③)」より一部再掲

    ⑤勤労学生控除、老人扶養親族控除(70歳以上)、同居老親等加算、障害者控除、寡婦・寡夫控除、ひとり親控除は税額控除に変える。(「税制改革2.(1)③)」より一部再掲

    ⑥夫婦が子などを共同扶養する場合の健康保険の被扶養認定では、年間収入の多少により画一的に判断せず、家庭の実態などに即して判断すべきことを通知などで周知徹底する。(「医療政策4.(11)⑥」より再掲

 

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