- (1)国、都道府県、市町村の役割分担を明確にして国と地方との関係を再検討する。「基礎自治体優先の原則」による行政に転換し、住民の意思を反映した行政制度となる仕組みを整備する。その際、保育、介護、児童養護、障がい者福祉、義務教育など、生存権や生命の安全の確保など、とりわけ人としての尊厳や子どもの成長に深く関わるサービスについては、国の最低基準の確保を前提とする。
①国家としての存立に関わる事務や全国的な視野に立った施策、国の責任としてのセーフティネットなど、国が担うべき事務以外の事務については広く地方自治体が担うべく、地方自治体の事務に対する国の義務づけを縮小する。
②国の直轄事業は、「全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的事業」に限定する。国の直轄事業の範囲は法令に明示し、事業ごとの法的根拠の明示を義務づけるとともに地方負担のあり方を見直す。それ以外は原則として地方自治体が実施または管理するものとする。
③国の直轄事業については、国と地方が事前に協議し、事業実施に際して地方議会の議決を経るなど、地方の合意のもとで必要な事業を実施する。
④法定受託事務はできる限り新設しないこととし、現行の法定受託事務についても適宜見直し、自治事務を拡大する。
⑤地方自治体の自治事務に対する国の是正の要求については、国の関与を出来る限り抑制するため、発動要件を厳しく限定する。
⑥都道府県と市町村の争いに関わる「自治紛争処理委員」については、独立した第三者機関としての機能を十分に持たせる。
- (2)地方自治体は、地方議会の活性化に加えて、行政事務手続きの簡素化、行政情報へのアクセス向上等に取り組むとともに、地方行政の政策決定過程や行政評価への住民参加を促進させる。情報公開条例、行政手続条例、個人情報保護条例、行政評価条例の制定を促進するとともに、外部監査制度の導入やチェック機能等の役割を果たすNPOの活用を進める。
- (3)国は、地方税財源の充実確保に向け、地方分権と地方税財源のバランスのとれた改革を行う。
①地方分権の推進状況を継続的に監視するとともに、国と地方の役割分担をふまえ、地方税財源の改革を進めていく。見直しにあたっては、人や税財源をセットで検討する。
②国と地方の協議の場などを活用し、地方財政計画の策定や地方交付税算定を行うなど、決定プロセスの透明化をはかる。
③国税と地方税の比率については、当面は、社会保障と税の一体改革の進捗状況を踏まえて、国と地方の役割分担に応じた配分を進めつつ、将来的には少なくとも50 対50 となるよう引き続き税源移譲を進める。(「経済政策」より再掲)
④既存の国庫補助負担金制度について、公共事業等のための地方自治体の使い勝手の良い財源として国庫補助金の一括交付金化をはかるなどの改革を進める。このとき、社会保障や義務教育に係わる一般行政費国庫負担金は、一括交付金化の対象としない。社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金については、地方自治体におけるより自由度の高い活用に向けて不断に制度を見直す。(「経済政策」、「税制改革」より再掲)
- (4)行財政基盤の強化および地方分権の推進に資する行政体制の確立を進める。
①地方自治体は、地方行政の基盤強化や行財政運営の効率化をはかるとともに、都道府県をはじめ区域を越える広域的行政課題に対応するため、住民合意のもと、広域連合制度を活用する。
②地方自治体は、合併等地域住民に大きな影響を及ぼす事案については、住民投票を活用してその是非を問う。その際、あらかじめ住民への情報開示を十分に行う。
③政府は、市町村合併の主たる目的である行財政効率化に逆行する合併特例法における合併市町村議員の在任特例を廃止する。
④国・地方自治体は、道州制について検討する場合には、地方分権改革に関する諸問題について、自治と統治のバランスや、地方自治体の自立と相互連帯の観点から十分に検討を行うとともに、地方自治を実現するための手段・仕組みとして、そのあり方や具体像について検討する。
⑤大都市制度の検討にあたっては、住民・国民に情報を公開するとともに、目的や全体像をわかりやすく説明し住民・国民本位の地方分権に資するよう検討する。
- (5)地方自治体は、財政情報や財政運営情報を開示し、議会審議や監査の充実、オンブズマンによるチェックなど、地方自治体財政の健全性確保に向けた仕組みを構築する。
①住民参加による行政評価を徹底して必要性の低い公共事業は、縮小・廃止する等歳出構造を見直し、効率的な公共サービスの提供を進める。
②財政再建団体に陥らないよう、地方議会は、実効性ある行政監視の実施等の改革を進める。また、地方自治体の行財政運営についてのチェック機能を強化させる。
③再生団体・早期健全化団体となった場合は、住民生活への過度な影響を避けるため、住民の暮らしや安心・安全に直結する住民サービスなどの水準確保に十分配慮する。
- (6)地方議会は、地方議員の兼職・兼業も前提とした議会運営の見直しを進めるとともに、広く住民の傍聴を促進するため、夜間・休日開催などの多様な開催形態を検討する。(「政治改革」より再掲)
- (7)地方議会は、住民の福祉の向上と地方自治体の発展を目的とし、地方議会の公開性・公正性・透明性の確保、執行に対する監視・評価や政策立案機能等を掲げる「議会基本条例」の制定に取り組む。また、地方議会における「議員立法」推進のための制度や議会事務局の調査機能の拡充など、「二元代表制(注2)」の機能充実のため環境整備を行う。(「政治改革」より再掲)
- (注2)二元代表制 ~首長と議会議員をともに住民が直接選挙で選ぶ制度