経済や産業の構造変革の中で、国際競争力を維持・向上させていくためには、AI・IoTなどのさらなる活用をはじめとする経済・社会全体のデジタルインフラの整備が不可欠である。政府には、社会基盤やあらゆる産業において、IT人材の育成をはじめとするデジタル化の促進に向けた各種環境整備に対する積極的な支援が求められている。特に諸外国では、生成AIに対して活用と規制の両面から議論が進んでおり、わが国でも議論を加速する必要がある。
同時に、国民の利便性向上や、非常時に支援が必要な層を迅速かつ正確に把握しタイムリーな支援を実現するセーフティネットの仕組みの構築などに向けた行政サービスのデジタル化を進める必要がある。国際的に自国の情報保全への意識は高まっており、わが国でも保全措置の厳格化が求められるが、現在ガバメントクラウド(図1)に採用されているクラウドサービスは、すべて外国企業が提供するものである。2023年の選定要件緩和により、国内クラウドの参入も見込める状況となっており、政府は、情報システムの安全性を強化する観点から、機密性の高い情報から国産クラウドサービスの採用を進めていく必要がある。
1 デジタル社会インフラの整備促進と産業構造の変化への対応および中小企業への支援強化

