5.くらしの安心・安全の構築|環境政策

2-17-0.環境政策<背景と考え方>

  1. (1)気候変動対策をめぐって、政府は、2030年までに2013年度排出量の「46%削減」、また2050年までの「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出・吸収量の差し引きゼロ)」を実現するための方針である「GX実現に向けた基本方針」と今後10年の方向性(ロードマップ)を2023年2月に閣議決定した。さらに、この基本方針にもとづく「GX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)」が第211通常国会で成立した。
  2. (2)「GX実現に向けた基本方針」には、社会全体のGX推進として「公正な移行」が盛り込まれたが、「失業なき労働移動」や重層的セーフティネットの必要性には言及されておらず、今後10年のロードマップにも位置づけがない。雇用や地域経済への負の影響を最小化する「公正な移行」を実現するには、政労使を含む関係当事者が関わる「社会対話」を実施し、複数のシナリオにもとづく政策対応が必要である。また課題を深掘りするには、省庁横断的な推進体制が必要である。そのためにも、今後10年のロードマップに「公正な移行」を加え、道筋を明らかにし、必要な予算措置を講ずるとともに、地域や雇用の課題を深掘りするためにも、省庁横断的な推進体制を構築する必要がある。
  3. (3)国連やEUなどが進める、新型コロナウィルスの感染拡大によって表面化した経済・社会の脆弱性を「グリーンリカバリー」によって脱炭素・循環型社会の構築とあわせて世界的に克服すること、また日本政府が地域脱炭素の推進においても提唱する「地域循環共生圏」の構築は、いずれもSDGsの考え方やゴールが具現化され、「持続可能性」と「包摂」を基底とした「働くことを軸とする安心社会」が実現されることと同義としなければならない。実現に向けて、連合は労働組合も含む幅広い社会対話が持たれ、参加が保障されるよう取り組みを進める。
  4. (4)「水循環基本法」では、「国民共有の貴重な財産」である地表水及び地下水について、省庁横断的に水に関する施策を省庁横断的に実施し、水循環を流域で総合的に管理することを求めている。そのため、同法に基づいて策定された「水循環基本計画」に掲げられた各施策の進捗の検証の中で、関連する個別法の改正や新たな法律の制定の検討が必要となる。
  5. (5)社会全体の資源効率性を高めつつ、廃棄物・リサイクル産業を健全に育成し、わが国に適した循環型社会を構築する必要がある。そのため、廃棄物の適正な処理をすすめるとともに、プラスチックの海洋流出による環境汚染への対応、海外における廃棄物不適正処理による環境汚染防止に向けた、国際ルールの整備と国内におけるさらなる対策強化や、途上国に対する技術支援等を推進することが求められている。
  6. (6)現代社会は、数多くの化学物質により支えられているが、その危険性・有害性評価に関する情報は不足しており、情報収集とリスク評価・リスク管理をさらに進める必要がある。また、幅広いリスク・コミュニケーションとともに、低濃度長期ばく露、複合ばく露、ナノ物質などの課題に対する取り組みも重要である。

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