4.社会インフラの整備促進|交通・運輸政策

2-15-2. 先端技術を活用し、環境負荷が小さく、すべての利用者が利用しやすい交通・運輸体系づくりを促進する。

  1. (1)国・地方自治体は、各交通モードの特性や地域・エリアの実情を踏まえ、モード間連携・機能分担や他分野の政策とのポリシーミックスを図りつつ、地域公共交通を有効活用した交通体系の整備、まちづくりを進める。また、環境負荷が小さい公共交通のいっそうの利用促進に向けて総合的に政策を推進する。

    ①国・地方自治体は、鉄道の複線化・複々線化・相互乗り入れなど、混雑緩和対策・輸送力増強施策とともに、その助成を拡充する。また、市街地における路面電車(LRT)については、地域住民の合意形成をはかったうえで整備する。

    ②国・地方自治体は、駐車場・駐輪場の整備により車や二輪車・特定小型原動機付自転車(電動キックボード)・自転車と公共交通機関との接続をはかり、パーク・アンド・ライドを推進する。

  2. (2)国・地方自治体は、ゼロエミッション車など環境対応車(二輪車等を含む)の開発・普及、交通渋滞の解消をする道路システムなど、先端技術を活用し、環境負荷が小さい、自動運転や安全対策、環境に配慮などの技術開発・普及による交通・運輸体系を構築する。

    ①国は、国連自動車基準調和世界フォーラムの自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認をふまえ、自動運転にかかわる法整備、保険などの検討、自動運転に関するセキュリティガイドライン、自動運行補助施設など自動運転に必要な施設の整備、安全技術の促進に向けた支援制度を進める。

    ②国は、環境対応車(二輪車等を含む)の開発・普及のための各種優遇措置を拡充するとともに、充電設備や水素ステーション等インフラ整備に対する支援策を推進する。また、公用車を環境対応車に代替する。

    ③国は、CASE(注6)の実現に向けた技術開発の推進、ビッグデータの活用、VICS(道路交通情報通信システム)によるプローブ情報活用サービスの実用化への支援、新交通管理システムの整備を行うなど、次世代ITSを推進し、交通渋滞や交通事故を減少させる。

    ④国・地方自治体は、交通・物流を効率化するため費用対効果を検証した上で、交差点の立体化、道路の拡幅、環状道路・バイパス道路・物流拠点の適正配置などを実施する。

    ⑤国・地方自治体は、駐車場・タクシー乗場の他、バスタ(注7)などの特定車両停留施設をはじめ、主要駅での路線バス乗降場および貸切バスの駐車場の整備など、停まる安全を推進する。

    ⑥SAFやe―fuelなど、合成燃料をはじめとするカーボンニュートラルに資する燃料の免税や、国産化を含む供給能力の拡大など、導入促進に向けた施策を推進する。

  3. (3)国・地方自治体は「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」にもとづき、物流のデジタル化や自動化(物流DX)、およびモノ・データ・輸配送プロセスを含む業務プロセスの標準化による簡素で滑らかな物流、トラックドライバーの働き方改革など担い手にやさしい物流、持続可能性を確保した強くてしなやかな物流の整備の実現に向けて施策を推進する。

    ①国は、各業界における輸送に関する商習慣など、荷主と輸送事業者の関係に充分留意した上で、物流DXや業務プロセスの標準化を推進する。

    ②国は、物流MaaS(注8)の推進にあたっては、分担する事業者が細分化されないよう、輸送の安全確保の観点から一定の事業規模を要件に設定する。

    ③国・地方自治体は、長距離貨物輸送におけるモーダルシフトを推進する。

    a)港湾での鉄道施設の整備、貨物鉄道と海上大型コンテナ輸送を結合する。

    b)大都市間貨物鉄道経路・時間の確保、コンテナヤードの増強、貨物駅を改良する。

    c)港湾と道路の一体的整備、複合一貫輸送に対応した内貿ターミナルの整備、環境負荷の小さい船舶の普及を促進する。

    ④国・地方自治体は、地域内・地域間物流の効率化のため、共同輸配送の拠点を整備する。

  4. (4)国・地方自治体は、ユニバーサル社会実現推進法およびバリアフリー法にもとづき、すべての利用者が円滑に移動・乗換えできる、交通機関・交通施設の整備を促進する。

    ①国・地方自治体は、旅客施設について、ユニバーサルデザインの推進、ホームドアの設置とベビーカーの利用環境改善、幅の広い歩道整備、歩道の段差・傾斜・勾配の改善、無電柱化、バリアフリー対応型信号機、見やすく分かりやすい道路標識・道路標示などの整備、視覚障がい者用ブロックの整備、誰でも使えるトイレの設置などによる、すべての人が利用しやすい施設整備を推進する。また国は、地方自治体が施工するエレベーターの設置、人工地盤や通路の新設など大規模工事に対する人的・財政的支援を行う。

    ②国・地方自治体は、旅客車両について、バリアフリー車両の導入を促進し、高齢者・障がい者などにやさしい交通事業を組み合わせて、地域の実態にあった効果的な交通環境整備を支援する。

    ③地方自治体は、高齢者・障がい者およびその介護者に対する福祉目的の運賃・料金割引を拡充するとともに、利用しやすい料金体系やダイヤを整備できるよう、地域の公共事業者と病院やスーパーなどとの業務提携を支援する。

    ④国は、まち歩きを促す歩行空間の整備などへの支援を行うとともに、「心のバリアフリー」啓発活動、多言語対応、無料公衆無線LAN環境提供や多言語表記案内の改善、観光地における公衆トイレの整備など、ユニバーサルデザインにもとづくまちづくりを関係機関と調整し進める。

  5. (5)国・地方自治体は、事故を未然に防ぎつつ機能性を向上させるための道路整備や信号制御の高度化を行うとともに、諸外国の禁止・罰則例を参考に、地域事情に応じて「歩きスマホ」を禁止する条例等による規制のさらなる強化を検討し、安全で人間優先のみちづくりを推進する。また、障がいの有無、年齢、性別、人種などにかかわらず安全に安心して利用できる道路環境を形成するため、コミュニティゾーン形成事業、あんしん歩行エリア、自転車通行環境整備モデル地区などの各種施策を推進する。
  6. (注6)CASE~「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Service(シェアリング)」「Electronic(電動化)」というモビリティの変革を表す4つの領域の頭文字をつなげた、自動車業界全体の未来像を語る概念。
  7. (注7)バスタ~国土交通省が事業主体となって官民連携で整備する鉄道やバス、タクシーなど、多様な交通モードがつながる集約型の公共交通ターミナル。2016年4月にバスタ新宿を開業するとともに、バスタプロジェクトとして全国に事業展開。
  8. (注8)物流MaaS~複数の商用車メーカーのトラック車両データを共通的な仕組みで連携させ協調して取り組むべき課題に活用する等、物流分野における新しいモビリティサービス。

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