- (1)国は、年金記録問題の全面解決にあたる。
①年金記録問題は国が責任を持ち、年金記録が給付につながるよう、引き続き十分な業務執行体制を確保する。
②「ねんきんネット」等のツールを充実させ、被保険者、受給者への丁寧な周知活動を行うことにより「もれ」や「誤り」について心当たりがある場合の申し出を促す。
- (2)国および日本年金機構は、同機構の運営については、保険料拠出者である労使代表の参画、運営責任の明確化、信頼および利便性の向上を重視し、そのために必要な業務執行体制を確立する。
①社会保険の適用、徴収業務の確実な実施のため、業務の効率化・人員再配置を前提に、公権力行使業務が行える職員(正規職員)を含む人員を確保し、体制を強化する。
②国税庁をはじめとする関係省庁や関係団体との連携を強化しつつ、社会保険の未適用事業所に対する加入指導や職権適用を徹底するとともに、厚生年金の被保険者にかかる届出が確実に行われるよう事業主に対する指導を強化する。
③従業員の転退職による被保険者資格喪失の通知の際、年金保険料の未納や、未加入状態にならないように、注意喚起する。
④厚生労働省が個人情報保護の監督責任を負い、被保険者、受給者の個人情報が確実に保護される体制とする。
⑤被保険者や受給者が安心して利用できるよう情報セキュリティ対策を一層強化した上で、電子申請の利便性向上と利用促進をはかるとともに、年金相談等のさらなるオンライン化に取り組む。
- (3)国は、公的年金の年金積立金について、保険料拠出者である労使代表が参画する場で検討する体制を確立し、以下のとおり管理・運用を行う。
①厚生年金保険法等の規定にもとづき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持する。
a)財政検証の前提条件等を抜本的に見直した上で再検証を行い、リスク性資産の割合を引き下げる方向でポートフォリオを見直す。
b)株式のインハウス運用は、公的資金による企業支配との疑念があるため、行わない。
c)積立金の取り崩しが必要になった際の年金給付に必要な流動性を確保するため、オルタナティブ投資はきわめて抑制的に行う。オルタナティブ資産への直接投資は、流動性の確保、カントリーリスクの回避等の観点から、行わない。また、投資一任の運用においても投資案件に対する一層のリスク管理を行うなど慎重な取り扱いを徹底する。
②GPIFの業務運営については、以下のとおりガバナンスを強化する。
a)GPIFにおいて、保険料拠出者である労使代表の意思の確実な反映を可能とするガバナンス体制を構築する。
b)経営委員会における経営委員の定数及びその配分について、保険料拠出者である労使代表の構成割合が過半数を占めるよう、速やかに検討を開始する。
c)国民に対する説明責任を果たす観点から、経営委員会の人選においては、年金財政や年金制度の専門家などを含めたバランスのとれた構成とする。
d)市場の公正性と国民の信頼性を確保するため、利益相反防止の規制を強化する。
e)国民の年金制度に対する信頼を高めるため、情報開示を強化するなど透明性を確保し、説明責任を果たす。運用上のリスクだけでなく、内部管理上のリスク管理を徹底し、公表する。経営委員会の議事録は、速やかに公開する。
f)四半期ごとの運用実績等を、被保険者および受給者に分かりやすく公表し、年金個人情報の定期的な通知の際にあわせて情報提供を行う。
g)自主的業務運営と責任の明確化をはかるため、役員選任の透明性を確保する。
③被用者年金一元化後も厚生年金・国民年金、共済年金の年金積立金の管理・運用業務を複数の主体に行わせる。