3.安心できる社会保障制度の確立|子ども・子育て支援政策

2-11-0.子ども・子育て支援政策<背景と考え方>

  1. (1)国は、「こども未来戦略」にもとづき、2024年度からの3年間で子ども・子育て支援の強化をはかろうとする「加速化プラン」の取り組みを進めている。「加速化プラン」の実施に必要な財源は、①既定予算の最大限の活用、②歳出改革の徹底、③子ども・子育て支援金によって3.6兆円を確保するとしているが、支援金制度は給付と負担の関係が不明確であることや、「子ども・子育て支援」以外にも使途が広がりかねないなどの課題がある。

  2. (2)認可外保育施設や放課後児童クラブなどにおける保育の質の確保や待機児童問題の解消に依然として課題が残っている。また、保護者の就業を問わず、保育所などに通っていない3歳未満の子どもが保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」が導入されることにより、人員も含めた受け入れ体制の強化が急務となっている。

  3. (3)児童相談所における児童虐待の相談対応件数は一貫して増加を続けている。児童虐待に至るおそれのある要因として、望まぬ妊娠、育児に対する不安やストレス、親族や地域社会からの孤立や経済不安、配偶者からの暴力など不安定な状況などが想定される。
  4. (4)国の「新しい社会的養育ビジョン」では、家庭養育優先の理念や特別養子縁組による永続的解決、里親養育の推進などの目標が定められ、子どもの権利保障のために最大限のスピードをもって実現するとしているが、達成には至っていない。国連子どもの権利委員会は、家族と離れて生活することを余儀なくされる子どもが、家庭環境に近い環境で育つことができるようにすることを2019年に勧告しており、目標達成に向けた着実な取り組みが求められる。
  5. (5)日本の「子どもの貧困率」はOECD加盟国のなかで高く、特に、子どもがいる現役世帯のうち大人が一人の世帯の相対的貧困率は極めて高い。貧困の連鎖を断ち切ることなど、子どもの貧困解消に向けた政府による積極的な取り組みが求められている。また、家計の安定のために、児童扶養手当の毎月支給の実現が求められる。
  6. (6)子ども・子育て支援の拡充が、女性労働力率の高まりによる労働生産性の向上と着実な経済成長、子どもの貧困の抑止につながることを社会全体で共有化することが重要である。政府は、子どもや子育てを社会全体で支えるという意識のもと、さらなる予算増額により、未来の力である子どもたちの豊かな育ちを支援することが求められている。

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