3.安心できる社会保障制度の確立|介護・高齢者福祉政策

2-9-3.介護サービスを必要とする人が必要なサービスを負担可能な費用負担で受けられる介護保険制度に再構築する。

  1. (1)国は、要介護または要支援の事由を問わず、介護や支援が必要な時に受給できるよう、様々な人を対象とした総合的・普遍的な制度へ介護保険制度を発展させるため、以下のとおり被保険者・受給者の範囲を拡大する。

    ①介護保険制度の加入者の範囲を現行の40歳以上から18歳以上のすべての医療保険加入者に拡大する。その際、保険料の仕組みは所得に応じた応能負担とする。

    ②対人サービスを給付内容の基本としつつ、新たに加入対象となる者への反対給付として、被保険者による将来の介護予防・健康づくりに資する取り組みに対する給付の創設など、給付対象を拡大する。

    ③新たに被保険者・受給者となる若年者からの納得が得られるよう、丁寧な説明を実施する。

    ④障害者総合支援法にもとづく介護給付において、介護保険と共通するサービスについては介護保険で対応し、その他のサービスは引き続き障がい福祉施策により提供するなど、利用者の実情に応じた介護サービスを提供する。また、介助サービス、介護サービス、移送サービスなど財源や給付制度のあり方を早急に検討し、スケールメリットと障がい者独自の介助ニーズへの支援のあり方など、制度設計の見直しをはかる。

    ⑤若年障がい者への給付範囲拡大にあたっては、介護保険給付に加えて所得保障と就労支援策を講じるとともに、その納得が得られるよう、丁寧な説明を実施する。

    ⑥要介護認定の手続きについては、障がい者が現在受けているサービスを継続的に利用でき、必要な給付へのアクセスを損なわないようなあり方を検討する。

  2. (2)国は、介護保険にかかる給付のあり方について、以下の通りの対応をはかる。

    ①サービスの利用に対する給付割合について、負担能力に応じた負担としつつ、介護はサービスの利用が長期にわたることから7割給付を最低限とし、さらなる給付の引き下げは恒久的に実施しない。

    ②低所得者、生計困難者の負担実態を把握するとともに、現役並所得者等に対して行われた高額介護サービス費の上限引き上げや給付割合の引き下げによる家計への影響や、介護離職が増加していないかを、医療における負担と合わせて丁寧に分析し、生計維持に困難を来さぬよう、必要な措置を講じる。

    ③低所得者、生計困難者に対する社会福祉法人の利用者負担減免措置制度を拡充する。

    ④低所得者に対する補足給付について、高齢夫婦世帯の一方が介護保険施設の個室に入所した際に受ける居住費・食費負担の軽減措置を、多床室でも受けられるよう拡大する。

    ⑤ケアプランの有料化については、本来必要なサービスの利用が抑制されないよう、自立に資する適切なケアマネジメントの利用機会を確保する観点などから、慎重に検討する。

    ⑥生活援助中心型の訪問介護について、利用回数が一定以上のケアプランを市町村が検証する仕組みは、単身者を含む要介護者の在宅生活と家族の就労生活に影響を及ぼさないことを前提に運用し、利用回数に実質的な上限を設けることにならないように通知を徹底する。

  3. (3)国は、介護保険料のあり方について、以下の通りの対応をはかる。

    ①第1号被保険者(65歳以上)の所得段階別の保険料徴収について、保険料の段階決定の際の課税状況の認定を個人単位とするとともに、世帯主や配偶者への保険料の連帯納付義務を撤廃する。

    ②保険料の負担軽減措置の段階をさらにきめ細かく分けるなど、低所得者対策を拡充する。なお、低所得者に対する支援策が確立するまでの間は、保険料の滞納に対する給付制限について、特に悪質な場合を除き、凍結する。

  4. (4)市町村ごとの「介護サービス運営協議会」の設置、「介護保険運営協議会」への住民、利用者、被保険者、介護労働者の代表などの多様な主体の参画により、介護保険制度の運営のチェックを行う。地域のNPOなど地域福祉の担い手の参画により、地域における介護ネットワークを形成し、地域の介護資源や、情報交換、介護保険事業の参加型運営をはかる。
  5. (5)国および地方自治体は、地域包括ケアの推進に対し、利用者、医療保険者、被保険者の声が反映できる仕組みにする。
  6. (6)介護保険サービスと介護保険外のサービスを同時一体的に提供する、いわゆる混合介護については、利益の大きいサービスが優先され、介護保険サービスを必要とする人へのサービス提供が阻害される懸念があるため慎重に検討する。

 

TOPへ