2023年度重点政策|9 教育機会の均等実現と学校の働き方改革を通じた教育の質的向上

9 教育機会の均等実現と学校の働き方改革を通じた教育の質的向上

社会全体で子どもたちの学びを支えるため教育費の無償化を / 教職員が子どもと向き合う時間の確保、きめ細かな教育のために学校の働き方改革を

政府は「人への投資」の一環として、教育費の負担軽減を推進している。連合は、その方向性に賛同しつつ、教育機会の格差を通して親から子へと引き継がれる「貧困の連鎖」を断ち切るため、就学前教育から高等教育まで、すべての教育にかかる費用の無償化を行い、社会全体で子どもたちの学びを支えることを求めている(図1)。とりわけ、初等・中等教育における学習指導上必要な教材などの無償化、GIGAスクール構想などにかかわる接続環境の整備、機器やソフトウエアの保守・更新費用についても国において予算化すべきである。
一方で、人材育成を担っている学校現場において、教職員の労働環境は非常に厳しい状況にある。教員は、時間外の日常業務や生徒指導、部活動などは「自発的行為」として勤務時間と認められず、長時間労働の大きな要因となっている。そのため、改正「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、給特法)」にもとづき勤務時間の上限に関する指針が導入された。しかし、2022年の調査においても、小学校・高校では3 分の1、中学校では2分の1の教職員が45時間超の「時間外勤務」を行っている現状で、業務負担の軽減は取り組みの途上にある(図2)。加えて、教育現場からはより厳しい実態の報告もある。
文部科学省による「教員勤務実態調査」の速報値(2023年春に公表予定)も踏まえつつ、連合は、教職員の定数改善などによる配置増、業務の見直しや週の持ちコマ数減による業務削減、教員の長時間労働の是正に向けた労働基準法第37条の適用など、給特法の抜本的な見直しを求めて、学校の働き方改革の議論に参画していく。

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