2023年度重点政策|6 すべての世代が安心できる社会保障制度の確立

6 すべての世代が安心できる社会保障制度の確立

合理的配慮の提供に関する周知徹底、ワンストップ窓口などの相談体制の強化

2021年6月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)改正法が成立した。障害者差別解消法改正法では、事業者に対し合理的配慮の提供を義務付けるとともに、行政機関相互間の連携の強化をはかるほか、障がいを理由とする差別を解消するための支援措置が強化された。
さらに、障害者基本法および障害者差別解消法改正法にもとづき、障害者基本計画(第5次)および障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針が見直され、その中でも民間事業者による合理的配慮の提供について明記されている。
合理的配慮について、内閣府は「障がいのある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること」としており、その対応を障がいのある人に丁寧に説明し、場合によっては別の方法を話し合うなどの建設的対話も求められる。
この合理的配慮の提供について、民間事業者による合理的配慮推進委員会の調査(2021年12月)によると、民間事業者による合理的配慮の義務化について知っているかとの問いに、官公庁・地方公共団体の80%が知っていると答えたのに対し、民間事業者等は51%となっており、周知が十分とは言えない状況である。合理的配慮や差別的対応に該当する行為について、企業などで働く私たち労働者も含め国民一人ひとりが理解を深める必要がある。
また、事業者からは、多様な障がい特性に対し、「どのような配慮を行えばよいのか」「建設的対話とはどのようなものなのか」「対話による解決が難しい場合はどうするのか」などの声が聞かれる。障がい当事者やその家族、介助者、事業者など誰もが適切な相談窓口へとつながるよう、ワンストップ窓口の設置や相談体制を強化するとともに、事業者への好事例の提供が求められる。

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