2023年度重点政策|5 ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現

5 ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現

選択的夫婦別氏制度の早期導入

民法では結婚にあたり「夫又は妻の氏を称する」と定めているが、実際に姓を変更しているのは96%が女性であり、職場や日常生活での不利益や負担が著しく偏っている。また、夫婦同姓を法律で強制する国は日本の他になく、国連女性差別撤廃委員会からは、民法を改正するよう再三の勧告を受けている。
連合が実施した「夫婦別姓と職場の制度に関する調査2022」では、夫婦の姓のあり方について「自分は夫婦同姓がよい。自分たち以外の夫婦は同姓でも別姓でも構わない」「自分は夫婦別姓が選べるとよい。自分たち以外の夫婦は同姓でも別姓でも構わない」をあわせた回答が64.0%となり、制度導入の容認派が過半数を占めている。
一方で「旧姓の通称使用によって対応可能であり、改正の必要性はない」という反対意見もみられる。しかしながら連合調査によると、旧姓の通称使用が認められている職場は42.3%にとどまり、「情報通信業」の72.7%に対し、「運輸業、郵便業」では25.8%と業種によって大きな差がある。旧姓の通称使用が不可能な制度・業界の存在や個人・企業の手続きの煩雑化など、女性の社会進出に伴い、旧姓の通称使用で対処することの限界が表れている。加えて、旧姓の通称使用は、固有の姓を名乗り続けたい、という個人の尊厳の問題を解決することには繋がらないことから、本来、選択的夫婦別氏制度の代替案にはなり得ない。
また、最高裁判所は、夫婦同姓規定について2021年6月に大法廷にて合憲とし、2022年3月には原告側の上告を退け合憲としたものの、補足意見として選択的夫婦別氏制度に関して「国民の意識の変化については、国会で評価、判断されることが原則」「まずは国会で受け止めるべき」と指摘している。政府はこうした現状を認識し、国会において真摯かつ速やかに立法措置を講じるべきである。

TOPへ