2023年度重点政策|2 「公平・連帯・納得」の税制改革の実現

2 「公平・連帯・納得」の税制改革の実現

「給付付き税額控除」の仕組み構築

コロナ禍を契機としてわが国のセーフティネットの脆弱性が改めて浮き彫りとなり、真に必要とする層に迅速かつ適切な支援を行うことの必要性が認識されている。
連合は、効果的・効率的な低所得者への支援策として、マイナンバーを活用した「給付付き税額控除」の仕組みを構築し、その具体的な制度として「就労支援給付制度」と「消費税還付制度」を導入すべきであると考える。
「就労支援給付制度」とは、社会保険料・雇用保険料(労働者負担分)の半額相当分を所得税から控除し、控除できない部分は還付する仕組みである(図1)。この制度によって、低所得被雇用者の税負担のみならず、保険料負担の軽減も可能となる。
「消費税還付制度」とは、基礎的消費にかかる消費税負担分を給付する仕組みである(図2)。消費税には、低所得者ほど負担割合が高くなる「逆進性」という課題がある。加えて、2019年の消費税率引き上げと同時に導入された軽減税率制度には、高所得者ほど恩恵を受ける構造となっていることや、対象範囲が曖昧であることなど多くの問題がある。消費税還付制度によって、低所得者に限定した給付を行うべきである。
なお、「給付付き税額控除」の仕組みを実現するには、マイナンバーによる正確な所得捕捉が欠かせない。コロナ禍における諸外国の事例を踏まえても、正確な所得捕捉と必要な給付の連携が、困窮に直面する人々に対するセーフティネットの提供に資することは明らかである。マイナンバーカードの普及とあわせて、「給付付き税額控除」の導入に向けた議論を早期に進めるべきである。

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