連合ニュース 2019年

 
2019年01月16日
「2019 連合税制セミナー」を開催
2019 連合税制セミナー
 連合は、1月15日、「2019 連合税制セミナー」を東京都内で開催しました。構成組織・地方連合会の政策担当者など約70人が集い、第198通常国会で審議される税制改正関連法案や今後の抜本的な税制改革に向けた論点について理解を深めました。

 

 
 
 冒頭、主催者代表挨拶として野田副会長が、わが国では税制全体の改革が待ったなしの状況の中、この間の税制改正では課題に正面から向き合うことなく小手先の見直しばかりが続いていることを指摘したうえで、消費税率の着実な引き上げに加え、軽減税率の問題点や需要変動対策の妥当性など、今月末からの通常国会における徹底した審議の必要性を訴えました。

 情勢報告では、川島総合政策局長より、政府の税制改正大綱と連合の考え方について説明しました。その中で、所得再分配機能の強化と財源調達機能の回復に向けて、所得税・相続税の累進性強化、金融所得に対する課税の強化、人的控除の税額控除化、低所得層を対象とした「給付付き税額控除」の導入など、抜本的な見直しが必要であると述べました。また、消費税率の引き上げに関しては着実な実施が必要としたうえで、その際に予定されている軽減税率導入は撤回し、真に低所得者対策となり得る効果的・効率的な措置を講じる必要があると指摘しました。

 続いて、2名の講師から、今後の経済・財政の見通しと課題、税制改革の方向性などについて講演をいただきました。
 BNPパリバ証券の河野氏からは、わが国経済が今後下降局面に入ることが予想され、消費の低迷や少子化の進展など課題が山積する中、高い成長率を前提とした財政再建の見通しを行うことへの問題点が指摘されました。そのうえで、全世代型の社会保障を構築することの重要性と、その財源としての消費税率引き上げの必要性について説明がなされました。また、過度な駆け込み需要対策や、逆進性対策としては不適切な軽減税率の導入など、消費税率の引き上げに関する課題についても指摘がありました。
 中央大学法科大学院の森信教授からは、中間層の二極化が進み経済・社会構造面の抜本的改革の必要性が増す中、税制・社会保障一体改革による「適切な所得再分配政策」を通じた経済・社会の活性化策として、所得控除から税額控除への移行、「給付付き税額控除」の導入、中所得者以下への還付を伴う金融所得課税の税率見直し、相続・贈与税の見直しなどの提言がなされました。また、いわゆるギグ・エコノミーへの対応として、日本型の「記入済み申告制度」や、雇用的自営業者に対する給与所得控除並みの経費概算控除導入などの必要性についても考え方が示されました。

  最後に、南部副事務局長より、今月末からの通常国会での税制関連法案の審議における連合フォーラム議員と連携した対応など、連合が求める税制改革の実現に向けた取り組みへの決意と、現在連合で検討を進めている「税制改革基本大綱」に関する積極的な議論を呼びかけ、閉会しました。

 
  • 主催者代表挨拶(野田副会長)
  • 情勢報告(川島総合局長)
  • 講演①(河野龍太郎 BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト)
  • 講演②(森信茂樹 中央大学法科大学院特任教授)
  • まとめ(南部副事務局長)