事務局長談話

 
2013年12月24日
労政審安全衛生分科会報告「今後の労働安全衛生対策について」に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1. 労働政策審議会安全衛生分科会(分科会長:土橋律・東京大学大学院工学系研究科教授)は12月24日、労働安全衛生法の改正のベースとなる報告「今後の労働安全衛生対策について」をとりまとめ、厚生労働大臣に対して建議を行った。同分科会は2010年に建議を行い、これにもとづく労働安全衛生法改正法案が国会に提出されたが、2012年11月の衆議院解散により廃案となった。今回の建議は、前回の建議を踏襲した上で、その後に策定された第12次労働災害防止計画を踏まえ、化学物質管理の規制強化や企業単位で安全・健康に対する意識変革を促進する仕組みの導入等が新たに盛り込まれた。これらは前回の建議内容を上回るものであり、評価する。

  2. 「報告」の主な内容は、[1]危険性・有害性が明らかな化学物質を新規に採用する等の場合、事業者にリスクアセスメントを義務づけるとともに、危険性・有害性等を記載したラベルの表示を義務づける化学物質の範囲を拡大する、[2]安全衛生水準の高い企業を評価・公表する仕組みや、重大な労働災害を繰り返す企業に厚生労働大臣が再発防止の計画作成を指示し、再発防止に取り組まない等の場合に企業名を公表する仕組みを設ける、[3]安全管理者又は安全衛生推進者の選任が義務化されていない業種の対策を進めるため、事業主に対して国が安全の担当者の配置等を内容とするガイドラインを示し指導を行う、[4]労働者のストレスの状況を早期に把握して必要な措置を講じること等により、メンタルヘルス不調を未然に防止する仕組みを設ける、等である。

  3. 連合は分科会での議論において、[1]化学物質の危険有害性情報を事業者が適切に把握するとともに、広く労働者が認識できるようにする必要があること、[2]労働安全衛生の取り組みの底上げや、企業全体で労働災害の再発防止をはからせる仕組みを設けること、[3]前回の建議に沿って、メンタルヘルス対策を強化すること等を求めてきた。「報告」は、連合の主張を概ね反映したものとなっている。一方、受動喫煙防止対策に関して、連合は、前回の建議と同様、一般の事務所や工場等において全面禁煙や空間分煙を義務づけるよう主張してきたが、「報告」には明記されなかった。先般の国会審議における与野党の修正協議等を踏まえたものと受け止めるが、残念と言わざるをえない。

  4. 今後、この「報告」にもとづいて法律案要綱の審議が行われ、次期通常国会に労働安全衛生法改正法案が提出される見通しである。連合は、「報告」の内容が改正法案に正確に反映されるよう注意深く対応を行うとともに、改正法案の早期成立をめざし、政府・各党への働きかけと国会審議への対応を行い、すべての労働者が安心して健康に働くことができる社会の実現に向けた取り組みを進めていく。


以上