事務局長談話

 
2013年12月06日
研究開発力強化法改正法案の成立に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  自民、公明両党の議員立法として提出されていた研究開発力強化法改正案が12月5日、参議院本会議で可決、成立した。これにより研究開発法人、大学等における有期労働契約の研究者や技術者等について、無期転換申込権が発生するまでの期間を5年から10年に延長する労働契約法の特例が、2014年4月から施行される。雇用の安定のための規定が一部の労働者に適用されなくなること、適用対象労働者が広く解釈し得ることなど、労働者保護の点から問題があり、極めて遺憾である。

  2.  研究開発力強化法は科学技術基本法に準拠し、法律の対象は「人文科学のみに係るものを除く」科学技術とされているにもかかわらず、今改正で労働契約法の特例についてはこれも含むこととされた。また、特例の対象者は、研究開発法人や大学等で働く研究者、技術者にとどまらず、「補助を行う人材」や、試験、研究、開発、それらの成果の普及・実用化に係る「運営及び管理に係る業務」であって、「専門的な知識及び能力を必要とするもの」に従事する人も含まれる。また、研究開発法人や大学と共同研究開発に携わる民間企業の有期契約労働者も対象とされ、規定の運用次第では広範な対象とすることも可能となり、無期転換申込権が空洞化しかねない。

  3.  同法の改正にあたり、ILO原則に沿った三者構成の労働政策審議会での検討は行われなかったこと、加えて、特定秘密保護法案に関する与党の強引な国会運営の結果、参議院では民主党が欠席する中で審議が進められ、衆参合わせてわずか3時間しか審議されなかったことも問題であり、極めて遺憾である。
     衆議院文部科学委員会では、「特例措置はあくまで例外であることを踏まえ、その趣旨に反して他の職種にも適用されることがないよう十分留意すること、雇用労働政策の決定や法律の制定改廃は、労働政策審議会の議を経るというこれまでの原則を変更しないこと」との附帯決議が辛うじて付け加えられた。政府はもとより立法府は、その付帯決議を尊重するよう強く求める。

  4.  政府の諸会議においては、解雇ルールの緩和や労働者派遣法の常用代替防止の考え方の撤廃、ホワイトカラー・イグゼンプションを含む労働時間規制の緩和など、さまざまなワークルールの改悪の提案が次々出されている。連合は、労働契約法の特例の適用が濫用されないよう継続的な検証を求めていくとともに、労働者保護ルール改悪阻止に全力で取り組んでいく。


以上