事務局長談話

 
2013年06月21日
厚生年金基金の縮小法の成立に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  厚生年金基金の縮小を含む「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」が2013年6月19日、参議院本会議において賛成多数で可決、成立した。厚生年金基金制度を実質廃止するものであり、評価する。

  2.  法律の内容は、[1]基金の新設を認めない、[2]5年間の時限措置としての特例解散制度を設ける、[3]5年後以降は一定の積立要件を満たさない基金に厚生労働大臣が解散命令を発動する、[4]他の企業年金等への移行に関する特例を設ける、などである。自公政権は要件を満たす一部基金の存続を容認する内容で法案を提出したが、基金制度を一定の経過期間終了後に廃止することを政権時代に決定していた民主党が修正案を提出した。各党がこれに合意し、施行日から10年を経過する日までに、「存続厚生年金基金が解散し又は他の企業年金制度等に移行、及び存続連合会が解散するよう検討し、速やかに必要な法制上の措置を講ずる」との規定が附則に盛り込まれた。民主党の働きにより得られた大きな成果であり、評価する。

  3.  連合は、1990年代後半より基金の運用損が厚生年金本体財政に影響をおよぼす可能性がある代行制度の欠陥を指摘し、「政策・制度 要求と提言」において「厚生年金基金の代行制度の廃止」を求めてきた。2012年2月のAIJ問題の発覚によって連合の指摘は現実のものとなり、以降、構成組織や地方連合会と議論を重ね、連携し、審議会対応や、政府および政党への要請、国会対応を行ってきた。

  4.  今後、2014年4月1日の施行に向け、厚生労働省において、労使代表を含む第三者委員会の設置、基金への説明会の開催などが行われる。企業年金は退職金を年金化したものであり、受給権の保護が最重視される必要がある。従って、基金の解散にあたっては、他の企業年金への移行を含め、退職給付義務が確実に履行されなければならない。また、特に総合型の基金が解散する場合、母体企業は中小・零細企業が多く、労働組合がないところが多いため、加入員・受給者や企業に移行先の企業年金等の選択肢を含めてきちんと情報が行き届き、その上で最善の意思決定が行われることが必要である。連合は、これらの点について、引き続き厚生労働省に対して必要な支援や指導を強く求めていく。


以上