事務局長談話

 
2013年05月27日
「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の成立に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  5月24日、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が参議院本会議において、与野党の賛成多数で可決・成立した。これにより、2015年秋から国民一人一人に個人番号が通知され、2016年1月から年金分野、税務分野、災害対策分野から順次個人番号の利用が始まることとなる。連合結成以来の最重要課題として力を入れて取り組んできた番号制度が今国会で導入されるに至ったことを高く評価する。

  2.  番号制度は、真に手を差し伸べるべき人をきちんと把握し社会保障制度を充実させるため、また、給付付き税額控除の導入など所得再分配機能を高めるための基礎的なインフラとして必要不可欠である。また、災害時における被災者支援への活用、行政サービスにおける手続きの簡素化など同制度への期待は大きい。

  3.  個人事業主の収入の把握など制度の限界も指摘されているが、これについては、今後の政省令の整備などを通じてより実効性のある制度とすることを求める。また、ICTを活用した国民の利便性の向上、年金記録問題への対応やきめ細かな低所得者対策の社会的要請などから番号制度の必要性については国民の理解が深まってはいるものの、未だに情報漏洩や不正アクセスなどへの不安は大きい。同法には、目的外利用等への罰則強化、共通番号の取り扱いを監視・監督する特定個人情報保護委員会の設置などが盛り込まれており、国民の不安の払拭には、政府が国民に対し丁寧な説明を行うことが重要である。加えて、施行後3年を目途とした利用範囲拡大の検討に関しては、このような必要な措置を施したうえで、導入後の実施状況を検証しつつ、段階的な利用分野の拡大を慎重に検討するべきである。

  4.  政府の社会保障制度改革国民会議や自民党・公明党・民主党の三党実務者協議において、医療、介護、年金、少子化対策のあり方の議論を行うこととされているが、夏の参議院選挙を目前に控え、政府・与党は急速な高齢化に対応した持続可能な社会保障制度への抜本改革に消極的な姿勢を示している。格差の是正を進めるべく、番号制度の活用で給付付き税額控除や総合合算制度などを具体化させ、さらなる社会保障・税一体改革を着実に前進させることが重要である。連合は、政府・与野党が国民生活の向上に資する真摯な議論を行うよう今後も働きかけていく。


以上