連合見解

 
2013年05月16日
憲法96条改正問題に対する見解
日本労働組合総連合会

 憲法96条は、憲法改正を国会が発議するためには、衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要であるとした上で、改正の承認には国民投票で過半数の賛成を得ることを必要とすることを定めている。

 内閣総理大臣である自民党安倍総裁が意欲を示す「96条の改正」は、発議要件を緩和し、各議院の総議員の2分の1以上の賛成があれば発議できるようにしようというものである。

 これは改憲のための改憲という考え方であり、容認するわけにはいかない。いまの憲法を本当に変える必要があるのか、仮に変えるならば、どこを何のためにどう変えるのかなど、国のあり方とあわせて論ずることなく、改憲の手続き条項のみの改正を先行させるということであってはならない。

 憲法は国のあり方を定める最高法規であり、公権力の濫用を防ぎ国民の権利を保障するとの理念を基盤としている。すなわち、憲法とは、一般法の上位に位置づけられた、国民の権利や自由を保障するための国の根本規範であり、その時々の政権により安易に発議されることがないように3分の2という厳格な要件が設けられている。このことを、重く認識しなければならない。

 発議手続きを変えて改憲しやすくするという手法は憲法原理に反していると言わざるを得ず、ましてや、改正のための国会議員数が足りないから要件緩和をするというのであれば本末転倒である。言われているような96条の改正については、改憲のための手続き改正先行という意味でも、厳格な発議要件の必要性という意味でも、容認することはできない。

以上