事務局長談話

 
2013年04月01日
2013年度税制改正法案の成立についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  3月29日の参議院本会議において、2013年度税制改正関連法案が自民・公明・民主各党などの賛成多数で可決、成立した。所得税・相続税の累進性強化が不十分ながら盛り込まれるなど評価できる面もあるが、社会保障・税一体改革関連法で提起された重要課題の多くが検討不十分もしくは先送りとなり、問題が多い。連合は、国会での十分な審議を通じた政府案の見直しを求めてきたが、実現に至らず極めて残念である。

  2.  今次改正では、「成長と富の創出の好循環」の実現、社会保障・税一体改革の着実な実施、震災からの復興の支援等のための税制上の措置のほか、租税特別措置の延長等が盛り込まれた。特徴として、平年度で3,320億円の減税となる企業への措置に重点が置かれていることが挙げられる。しかし、これらの措置が、内需拡大による持続的成長に不可欠な雇用と所得の拡大にどの程度つながるのか定かではない。

  3.  内容が不十分な課題としては、所得税・相続税の見直しが挙げられる。最高税率の引き上げや相続税の基礎控除縮小が盛り込まれたものの、課税対象者の拡大は僅かである。更なる累進性強化をはじめとした所得再分配機能の強化に向けて、税率構造や人的控除の見直しなどを求めていく。

  4.  先送りされた課題としては、消費増税に伴う低所得者対策や消費税の制度的不備の改善、および自動車関係諸税の軽減・簡素化等が挙げられる。低所得者対策は、単一税率を前提に、給付付き税額控除の制度化を進める必要がある。そのためにも、今次国会におけるマイナンバー法案の早期成立を求めていく。自動車関係諸税については、引き続き、地方財政に配慮しつつ抜本改革を求めていく。

  5.  なお、同日、地方公務員の給与引き下げを前提とする改正地方交付税法が自民・公明・みんな・生活・維新各党などの賛成多数により可決、成立した。多くの地方自治体では独自に厳しい給与削減を実施してきていること、また、地方公務員給与は各自治体における労使交渉を尊重すべきであることから、誠に遺憾である。引き続き、地方自治体に対し、地方公務員の給与引き下げを行わないよう各地方連合会を通じて働きかけていく。

  6.  連合は、2013年度税制改正にあたって、民主党が提出した「消費税影響緩和法案」に係る衆議院本会議での傍聴行動、さらには「2013連合税制フォーラム」の開催などを通じて、政府・政党に対し「公平・連帯・納得」の税制改革を実現するよう求めてきた。「働くことを軸とする安心社会」の実現を目指し、連合は、今後も引き続き全力で取り組みを進めていく。


以上