事務局長談話

 
2012年01月06日
政府・与党の「社会保障・税一体改革素案」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  政府・与党社会保障改革本部(本部長:野田首相)は、「社会保障・税一体改革素案」(以下、一体改革素案)を1月6日に決定し、閣議報告した。一体改革素案は、2011年6月に決定した「社会保障・税一体改革成案」に基づき、2010年代半ばまでの改革の姿を具体化したものである。その内容は、連合が掲げる「新21世紀社会保障ビジョン」「第3次税制改革基本大綱」の方向性と概ね一致しており、基本的に評価できる。政府・与党が一致結束し、与野党で真摯な協議を行い、社会保障・税一体改革の法案がとりまとめられることを期待する。

  2.  社会保障については、子ども・子育て新システム関連法案、後期高齢者医療制度の廃止法案を2012年通常国会に提出すること、高額療養費の充実などが盛り込まれた点は評価できる。
     また、基礎年金国庫負担2分の1財源については、本来、一般財源で対応すべきであるが、これを「年金交付国債(仮称)」により賄うこととしている。年金財源の安定的な確保のためにも、税制抜本改革は確実に実行されなければならない。
     なお、短時間労働者への社会保険適用拡大に関する法案、年金の最低保障機能の強化のための法改正、社会保障・税番号制度に関する法案(マイナンバー法案)などについては「法案提出に向けて検討」とされており、審議会等での今後の検討を踏まえ通常国会に確実に提出しなければならない。

  3.  税制については、[1]社会保障の安定財源を確保するため消費税を引き上げ社会保障4経費(年金・医療・介護・少子化対策)等に全額充当すること、[2]消費税の逆進性対策として2015年度以降の番号制度の導入を念頭に給付つき税額控除等の施策を導入すること、[3]税による所得再分配を強化するため所得税や相続税の累進性を強めることなどが盛り込まれた点は評価できる。
     一方、消費税に関わるインボイス方式導入が見送られ、免税点、簡易課税制度が抜本的に見直されなかったことは遺憾である。
     また、今後の法案化に向け、経済状況等により引き上げ停止を含む柔軟な措置がとれる仕組みや消費税率引き上げに伴う個別間接税のあり方等を明確にしていく必要がある。

  4.  連合は、社会保障集中検討会議や政府・与党との協議を通じ、意見反映に取り組んできた。今回の一体改革素案は、「新21世紀社会保障ビジョン」がめざす2025年の姿にいたる一里塚であり、2010年代半ば以降、もう一段の改革をはかる必要がある。
     連合は、法案策定までに上記の課題について、政府・与野党に働きかけを行うとともに、引き続き連合の考え方を実現するために全力で取り組む。


以上