事務局長談話

 
2011年12月26日
労働条件分科会「有期労働契約の在り方について(報告)」に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  12月26日、労働政策審議会労働条件分科会(分科会長:岩村正彦・東京大学大学院教授)は、「有期労働契約の在り方について(報告)」をとりまとめ、厚生労働大臣に対して建議を行った。
     有期労働契約は非正規労働問題の中心的な課題であったが、これまで法整備が十分に取り組まれてこなかった。今回、雇用の不安定と処遇格差などの有期労働契約の課題の改善に向け、一定の法整備が図られる意義は大きく、評価できるものである。

  2.  「報告」は、[1]有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、労働者の申出により期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み(利用可能期間制限)の導入、[2]いわゆる「雇止め法理」の制定法化、[3]期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消などについて、労働契約法の改正を中心に措置する内容となっている。
     一方で、合理的な理由がない場合には有期労働契約を締結できないこととする仕組み(入口規制)の導入は見送られた。労働側は、非正規労働者の増加に歯止めをかけるためにも「入口規制」の導入の必要性を主張してきたが、成案に至らなかったことは残念である。

  3.  連合は、雇用の原則は期間の定めのない直接雇用であるべきとの認識のもと、雇用の安定と処遇の改善を実現する私法上の効果(民事効)を盛り込んだ有期労働契約法制の立法化を求めてきた。
     「利用可能期間制限」規制の導入は、連合の主張する「無期雇用の原則」につながるものであり、雇用の安定化と有期労働契約の濫用的な利用抑制効果が期待される。しかし、上限期間前の雇止めなど規制逃れが発生する懸念も否定できない。利用可能期間制限はわが国で初めての規制であり、雇止めの抑制策の検討とともに、「報告」に盛り込まれた法施行後の検証と、必要に応じた制度の見直しが重要である。
     また、「雇止め法理」の法制化は、解雇権濫用法理を類推適用するとした判例法理が広くルールとして認識されることであり、その意義は大きい。
     労働契約の期間の定めを理由とする不合理な処遇の禁止規定が労働契約法に盛り込まれることは、有期契約労働者の均等・均衡待遇の実現をはかるうえで大きな一歩となるものであり、積極的に評価する。

  4.  今後、この「報告」にもとづいて法案要綱の審議が行われ、次期通常国会に労働契約法を中心とした改正法案が提出されることとなる。連合は、「報告」の内容が正確に法案に反映されるよう注意深く対応を行うとともに、構成組織・地方連合会と一体となり、法案の早期成立と、すべての労働者の雇用の安定と処遇改善に向けた取り組みを進めていく。


以上