事務局長談話

 
2011年09月30日
平成23年人事院勧告についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  人事院は30日、政府と国会に対し、[1]本年度の国家公務員の月例給0.23%、899円の引き下げ、一時金は0.05月引き上げるべきとの調査結果であったが被災3県のデータが得られなかったことを理由に現行通り3.95月に据え置くこと、給与構造改革に伴う現給保障を2年間で廃止するなどの給与勧告・報告、[2]雇用と年金を接続させるための段階的定年延長の実施にむけた意見の申し出を行った。この人事院勧告は、客観的・科学的な調査結果に政策的・政治的判断が加わっており、遺憾である。

  2.  本年5月、「日本の再生のため被災地、被災者とともに歩む」との認識を労使が共有し、新たな労使関係制度を先取りする形で、2013年度末までの間、国家公務員の月例給与を5~10%、一時金を10%引き下げることで労使合意した。その合意にもとづき国家公務員給与の臨時特例法案と人事院及び人事院勧告制度の廃止、公務員庁の設置などを規定した公務労使関係制度を改革する法案が国会に提出されている。それにもかかわらず、本年の勧告には、このような公務労使関係制度の動向や自律的労使関係制度への移行に係る重要な事実について一言も言及されていない。また、一時金の扱いについては、客観的・科学的な調査に基づいて得られたデータに人事院が政策的・政治的判断を加えていることは極めて異例である。

  3.  政府は、国家公務員給与の臨時特例に関する法律案には今次人事院勧告で示されたマイナス0.23%をはるかに上回る給与引き下げが織り込まれていることを踏まえ、6月10日に連合に対し官房長官と関係大臣から政府公式見解として表明された、[1]「国家公務員制度改革関連四法案と国家公務員の給与を減額する国家公務員給与の臨時特例に関する法律案等の扱いについては一体不可分であることが労使合意の前提であることから、政府与党一体となって、全力でその実現を図る」、[2]「消防職員に団結権を付与する」、[3]「人件費引き下げについては合意通り地方公務員には波及させない」ことを不退転の決意を持って履行すべきである。その際、政府は、地方公務員はもとより民間企業とりわけ中小・地場企業にその影響が及ばないよう特段の配慮を行うべきである。
     また、段階的定年延長に係る意見の申し出については、給与水準の引き下げなど生活面からみれば厳しい内容となっているが、本格的な高齢化社会の中で雇用と年金との接続、公務員が国民の期待に応えその能力を発揮していくために、労使での交渉・協議を十分に行い、必要な法案を速やかに国会に提出すべきである。

  4.  連合は、民主的公務員制度の確立に向け、政府及び与野党に対し、国家公務員制度改革関連四法案と国家公務員の給与を減額する国家公務員給与の臨時特例に関する法律案の速やかな成立とともに、早急に消防職員への団結権付与を含む地方公務員制度改革法案をとりまとめ、その成立を図るよう求めていく。


以上