事務局長談話

 
2011年08月08日
「子ども手当の見直しに関する3党合意」についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  民主・自民・公明の3党は8月4日、子ども手当を見直し、2012年度から所得制限を導入することを合意した。現政権は、少子社会対策として子育て世帯の負担軽減をはかり、「すべての子ども・子育てを社会全体で支える仕組み」の1つとして子ども手当を導入した。その基本的な方向性と一定の給付水準は守られたものの、3党協議で野党が政争の具とし、年少扶養控除の廃止とあわせ、実質手取額が減少する世帯を生じさせたことは、極めて遺憾である。

  2.  3党合意の要旨は、[1]2011年10月から2012年3月は特別措置法で、3歳未満と3-12歳の第3子以降月額15,000円、3-12歳の第1子・第2子及び中学生10,000円を支給、[2]2012年度以降は、児童手当法を改正して同水準で支給するが、6月支給分より年収960万円程度の所得制限を導入するとしている。所得制限対象世帯は、既に年少扶養控除が廃止されているため、手取り額の減少(実質増税)が生じることとなる。こうした世帯については、何らかの是正措置を講じる必要がある。
     これまでの児童手当制度は、主たる生計者の年収に応じて支給されるため世帯収入が反映されていないこと、片働き世帯を想定した制度になっているなど、今後の法改正における課題は多い。

  3.  一方、7月29日に政府の少子化社会対策会議(会長:内閣総理大臣)が決定した「子ども・子育て新システムに関する中間とりまとめについて」では、子ども・子育てにかかる制度、財源、給付の包括的・一元的な仕組みの構築が目指されている。この中で、子ども手当は現金給付の1つと位置付けられている。
     また、「新システム」を含む子ども・子育て施策の拡充は、政府・与党の「社会保障・税一体改革成案」の最優先事項の1つとして位置づけられている。政府には、チルドレンファースト理念のもと、残された課題を早急に検討し、子ども手当を含む「新システム」の早期実現に向けた取り組みの着実な推進を期待したい。
     なお、子ども手当の見直しにかかる今後の法制上の措置等については、国と地方で協議するとしているが、必要な原資が子ども施策に回るよう、国と地方は協議内容を公開し、国民や関係者の合意のもとで地域における子ども・子育て施策を推進するよう期待する。

  4.  連合は、この間、子ども・子育てを社会全体で支える仕組みの構築を「子育て基金(仮称)」構想として広く社会に提起してきた。現在、待機児童対策や放課後児童クラブの拡充、子どもの貧困や要支援児童対策などの現物給付は圧倒的に不足している。
     連合は、引き続き、子ども・子育て世帯への過重な負担を軽減するために、現物給付の拡充など、バランスのとれた現金・現物サービスにより、子ども・子育てを社会全体で支える仕組みの実現に全力で取り組んでいく。


以上