事務局長談話

 
2011年07月26日
2011年度地域別最低賃金引き上げ目安に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  7月25日、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(小委員長:今野浩一郎学習院大学経済学部教授)は、2011年度地域別最低賃金の引き上げ目安をとりまとめ、7月27日の中央最低賃金審議会にその結果を報告することとした。目安額は、Aランク4円、B・C・Dランク各1円とした。この結果は、C・Dランクの底上げや、早期に800円の到達をめざして取り組んできたことからすると満足のいくものではない。しかし、厳しい経済成長率や東日本大震災、原発事故などの影響で地域経済や雇用情勢のバラツキが極めて大きいなかで、目安額を示すことができたのは、底上げの必要性について強く訴えてきた連合の主張が一部受け入れられたことと、2020年までに雇用戦略対話の合意達成に向けて道筋がつながっているものと受け止める。

  2.  生活保護水準とのかい離がある都道府県について、労働側は一気に解消することとあわせ震災の被災県を別枠としないよう主張した。かい離解消については、速やかに解消することが適当であるとされたが、一部の地域では、震災の影響や賃金分布の関係等から、かい離解消期間についても地域の実情を踏まえつつ、地域の自主性を発揮する中で柔軟な審議を行うこととなった。改正最賃法施行後4年目になるが、未だに生活保護とのかい離解消ができないことは、雇用戦略対話の合意からも不十分であるとともに、厳しい生活実態を強いられている労働者の生活改善に寄与しないだけでなく、労働の対価として正当な賃金が支払われていないことと同義であり納得のいくものではない。

  3.  使用者側は、雇用戦略対話の合意の前提条件である成長率(名目3%、実質2%)については実績値を用いるべきと主張し、さらに震災の影響が中小企業に与える影響の大きさに拘泥し、目安額を示すことに強く反対した。加えて最賃引き上げのための中小企業支援策についても、その効果を疑問視するなど、経営者責任を放棄したかのような主張を展開した。
     これに対し労働側は、労働者の底上げの必要性から全国最低800円を早期に達成すること、震災への対応として中小企業支援策も国によって着実に進められており、被災者の生活支援のためにも震災の影響を目安に反映させるべきではないとした。

  4.  連合は、雇用戦略対話の合意の具体化や生活保護とのかい離を早期に解消するため、時間額を重視し生活できる水準へ最低賃金の引き上げをめざすとともに、最賃制度の抜本的な改革をめざし、今後も継続した取り組みを展開する。


以上