事務局長談話

 
2011年06月03日
「社会保障集中検討会議」改革原案に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  6月2日、「社会保障に関する集中検討会議」は、社会保障の改革原案を取りまとめた。この原案が、改革の基本的考え方を「社会保障の本源的機能の復元と強化」として、子ども・子育て支援、若者雇用対策、貧困・格差・低所得者対策を最優先課題に盛り込むなど「全世代支援型」をめざす点は、とくに評価できる。
     しかし、財源(税制)では、2015年度までに消費税を10%に引き上げることを示すのみで、「逆進性」対策も所得・資産課税改革も何ら明記されておらず、このままでは「社会保障と税制の一体改革」とは評価できない。今後、政府・与党、政府税調、集中検討会議において、国民合意が可能となる、真の「一体改革」案にしていくことを強く求める。

  2.  この改革原案では、短時間労働者の被用者保険への適用拡大、低所得高齢者への年金加算、医療・介護等の「総合合算制度」など、現行制度における低所得者対策の改善が示されている。しかし、2025年を展望した「めざすべき改革の姿」は明記されず、当面(2015年)までの「給付と負担」が中心となっている。そのため、消費税率5%の引き上げ分の多くが、「国の財政再建・健全化に回されている」と指摘されかねない。
     しかも、消費税の逆進性緩和策として、これまで検討会議で論議してきた低所得層への「給付つき税額控除」などについても、何ら記載されていない。

  3.  現時点で改革原案は、「社会保障と税制の一体改革」における社会保障改革の「たたき台」であり、今後、所得課税と資産課税、また国と地方の税財源の配分を含めた、本格的な税制改革議論が急務である。とくに、最優先課題である震災復興のための財源確保と社会保障の安定財源との関係についても、明確な整理が必要である。
     また、制度の「重点化・効率化」として示されている医療費の定額窓口負担(外来1回100円)などについても、低所得層に配慮した慎重な検討が必要である。さらに、年金支給開始年齢(65歳)の引き上げは、65歳までの雇用確保も不十分な中では不適切である。

  4.  政府は、今後も与党内、政府税調での論議、及び「集中検討会議」との協議を通じて、6月中に政府・与党の最終改革案を取りまとまる予定である。連合は、6月2日の中央委員会で決定した「新21世紀社会保障ビジョン」と「第3次税制改革基本大綱」に基づいて、政府・与党との政策協議等を通じて、真の意味での「社会保障と税の一体改革」実現に向けた取り組みを進めていく。


以上