事務局長談話

 
2010年12月24日
2011年度政府予算案の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  12月24日、政府は一般会計を92兆4,116億円とする2011年度予算案を閣議決定した。政権交代後、初めてゼロから取り組んだ本予算案は、「財政運営戦略」の方針の堅持という課題を抱えつつ、約2.1兆円の「元気な日本復活特別枠」を活用し府省庁の枠組みを越えた予算の組み替えを行った。雇用に係る財源確保に課題は残るものの、「成長と雇用」を最大のテーマと位置づけ、「新成長戦略」の着実な推進に資する諸施策などに重点的に配分する編成を行ったことは評価できる。

  2.  本予算案は、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」のステップ3として、重点分野に「新成長戦略の実現」、「子ども・子育て支援」、「農業」、「一括交付金」、「雇用対策」を掲げた。特に、「新成長戦略」の推進と「雇用対策」は連合が強く求めてきたものであり、国内投資促進プログラムに則った雇用創出や産業・企業の活性化に、政労使が連携しつつ取り組んでいくことが重要である。また、将来的に国のひも付き補助金を廃止し地方の自主裁量の拡大を目指すものとして「地域自主戦略交付金(仮称)」が創設されたことは、地方分権の推進や地域活性化に資するものである。

  3.  「雇用対策」については、特別枠を活用して、「若年者雇用対策となるキャリア制度の構築」や、「最低賃金引き上げに向けた中小企業への奨励金」が盛り込まれたことは評価できる。しかし、連合が求めてきた「求職者支援制度」の財源が公費負担ではなく、雇用保険制度の付帯事業として労使の負担とされたことに加え、雇用保険の失業給付に対する国庫負担1/4の本則復帰がまたも先送りされた。政府は「雇用重視」を掲げているにもかかわらず、これらの財源を確保できなかったことは極めて遺憾である。

  4.  連合は、「2011年度 連合の重点政策」に基づき、官邸をはじめ政府・与党と政策協議を行い、成長戦略、雇用・労働政策、社会保障政策などに対して優先的な予算措置を行うことを求めた。その後も、新成長戦略実現会議や政府・連合トップ会談などの場を通じて、予算編成において雇用最重要視の姿勢を示し、新成長戦略の推進や「国民の生活が、第一。」の理念に基づいた政策への重点的な予算配分を求めてきた。

  5.  今、政府に求められているのは、円高・デフレ状況を早期に脱却し、日本経済を持続的成長軌道に乗せるとともに、国民に将来の希望と安心を示すことである。そのためには、本予算案の早期成立、新成長戦略推進の加速に加え、社会的セーフティネット機能の強化が不可欠である。政府は、早急に社会保障制度の改革案と必要財源を明らかにし、税制との一体改革の道筋を示す必要がある。
     連合は、「働くことを軸とする安心社会」をめざし、引き続き政府・与党との連携を図りつつ、連合の求める政策・制度の実現に全力で取り組んでいく。


以上