事務局長談話

 
2010年12月16日
「平成23年度税制改正大綱」の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  政府は、12月16日、「平成23年度税制改正大綱(以下、大綱)」を閣議決定した。その内容は、厳しい財政事情にありながらも、雇用と景気に配慮した税制改正となっていること、連合が求めてきた税制改革が一部実現したこと等から、全体的にみると政権交代2年目の成果として一定の評価ができる。しかし、いわゆる「暫定税率」が継続とすることや証券優遇税制の延長等、残念な部分もある。

  2.  今回の大綱では、税による所得再分配機能を回復させるための税制改革が前進した。所得税の最高税率引き上げが見送られたことは残念だが、給与所得控除に上限を設ける改正により、再分配機能を一定程度回復させることができる。相続税の基礎控除引き下げも、格差是正に資する内容である。
     公正で透明な税制につながる環境整備についても、評価できる。特定支出控除の範囲拡大等は、申告納税選択制の足掛かりとなる重要な一歩である。社会保障・税共通の番号制度導入についても具体的な検討の道筋が示されたことは高く評価できる。連合が求めてきた「納税者権利憲章」も制定されることとなった。

  3.  法人税については来年度から実効税率が5%引き下げられることになる。連合は、法人税率を引き下げる場合は、「引き下げ分を国内投資や雇用にまわすこと」「課税ベースを拡大する等財源を確保すること」を求めてきた。減税に要する財源面での課題は残ったが、国内投資促進円卓会議において、産業界より国内投資や雇用創出に積極的に取り組むとの決意表明があり、業界ごとの行動目標も設定された。今後は、産業・企業の労使協議等を通じ、その約束の実現を求めていく。
     また、新たに導入された雇用促進税制については、雇用情勢の改善につながることを期待する。

  4.  一方で大綱には、問題のある内容も含まれている。厳しい財政事情などを理由に、いわゆるガソリン等の「暫定税率」の廃止が実現しなかったことは残念である。また、廃止を求めてきた証券優遇税制が2年間延長されるなど、限られた財源を有効に使うための優先順位づけに問題がある。さらに、地球温暖化対策税が、段階的に導入されることとなったが、影響の大きい産業への対応や使途の明確化等さらに検討が必要である。

  5.  連合は、「働くことを軸とする安心社会」をめざし、政府・与党等と連携し、来年度税制改正に対応するとともに、税制抜本改革にむけた議論に積極的に関与し、連合が求める税・社会保障の実現に引き続き取り組んでいく。


以上