事務局長談話

 
2010年06月21日
新成長戦略に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  6月18日、政府は、今後の日本経済が進むべき方向性の羅針盤となる「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ~」を閣議決定した。新成長戦略は、民主党政権が初めてまとめた成長戦略であり、経済・財政・社会保障の一体的な建て直しをはかるために策定された。今回提示された戦略には、環境、健康、アジア、観光の4分野で2020年までに123兆円の需要と約500万人の雇用を創出するという数値目標が、それを裏付ける具体的な施策とともに示されるなど、雇用政策・社会保障政策の強化と一体となった成長戦略が策定されたことを高く評価する。

  2.  政府は、昨年12月、グリーン、ライフの両イノベーションなどを中心に、名目3%・実質2%を上回る成長と、失業率について中期的に3%台への低下を目指すとする基本方針を取りまとめた。同方針は、第2のセーフティネットの整備による「トランポリン型社会」の構築や「ディーセントワーク」の実現が盛り込まれるなど、厚みのある中間層の再生に向けた、まさに政策のパラダイムシフトを体現する内容であった。今般、この基本方針をもとに7つの戦略分野から経済成長に特に貢献度が高いと考えられる21の国家戦略プロジェクトを定めるとともに、戦略毎に2020 年までの工程表を策定するなど、基本方針の実現に向けた具体的な道筋が示されたことは評価できる。

  3.  この間、連合は、構成組織からの意見を取りまとめ、政府・連合トップ会談、定期協議など政府との政策協議や雇用戦略対話を通じて、働く者の視点から意見反映を行った。その結果、「『ディーセントワーク』を起点とした持続的な成長のスパイラル実現」、「消費者、生活者起点の事業・産業のイノベーション」、「少子化・高齢化・地球温暖化など国民的課題への対応を成長の原動力に」との視点や、「課題の克服を成長の好機と捉える内需拡大策」など連合の考え方の多くが新成長戦略に盛り込まれた。また、政府の審議会において、地域に根ざした中小企業・社会的企業の活性化や地域・産業を支える人材の確保・育成の重要性を提言し、これらも強く反映された。

  4.  今後は、この成長戦略を如何に実現させるかが重要である。そのためには、国民的合意を得ながらこの計画を実現していく強い政治のリーダーシップと、政策効果を定期的に検証・見直すための仕組みづくりが必要である。連合は、引き続き「労働を中心とした福祉型社会」の実現にむけ、政府・与党との連携を図り、質の高い雇用の創出を基盤とした安定的な名目成長の実現に全力で取り組んでいく。