事務局長談話

 
2010年02月15日
健康保険法等改正案の閣議決定についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  政府は2月12日、健康保険法等改正案(医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案)を閣議決定した。同法案には、全国健康保険協会(協会けんぽ)の財政を支援するための措置が盛りこまれている。中小企業の勤労者の医療を保障する協会けんぽにおける、財政難を理由とした保険料負担の大幅上昇は、国庫補助率の法定水準への復帰などにより、2010年度から3年間の時限措置ではあるものの一部抑えられることになった。厳しい財政状況の中で、ぎりぎりの国費負担増がはかられたことは一定の評価ができる。

  2.  中小・零細企業を対象とした協会けんぽについては、2009年夏以降の業績低迷による給料の急激な低下により財政が急速に悪化し、2010年度の保険料は9.9%(現行8.2%)への引き上げが必要との試算が示されていた。このため、政府は、[1]国庫補助割合の16.4%への引き上げ、[2]協会けんぽの借入金(4,500億円)を2012年までの償還を可能とする、[3]後期高齢者支援金の1/3を被用者保険間の総報酬割とすることとした。これにより、協会けんぽ(被保険者約2000万人、家族を含む加入者全体で約3500万人)の保険料率は健康保険組合と共済組合の協力を得て、全国平均で9.34%まで圧縮されることになる。

  3.  今回の総報酬割(応能負担)の1/3導入で、健康保険組合と共済組合の後期高齢者支援金の負担総額は、それぞれ500億円(2010年度は330億円)、350億円(同230億円)増加する。なお、厚生労働省の試算によれば、同支援金の総報酬割の導入により、健保組合の4割にあたる、約560の財政力の弱い健保組合が負担軽減となる。また、連合の要請等を踏まえて、前期高齢者納付金の負担軽減のため、健保組合に対する国の支援を現行の約160億円から約320億円に倍増することが2010年度予算案に盛り込まれた。

  4.  「皆保険」は世界に誇れるセーフティネットである。連合は、職域保険と地域保険の2本立てを基本とした「皆保険」を守るため、各被用者健保の加入者及び保険者の理解と協力を求めていくとともに、2013年度以降の健康保険財政等への国の財政支援の強化、高齢者医療制度および国民健康保険制度の再構築に向け、引き続き取り組んでいく。


以上