事務局長談話

 
2010年01月07日
日本年金機構発足に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  1月1日、昨年末に廃止された社会保険庁の後継組織として「日本年金機構」が発足し、4日から業務が開始された。機構は非公務員型の公法人(特殊法人)となり、国(厚生労働省)から委任・委託を受け、適用・徴収・記録管理・相談・裁定・給付など公的年金に係る一連の運営業務を担うこととなった。また機構の組織体制は、指示命令、責任の明確化、および組織のスリム化により本部-ブロック本部(9箇所)-年金事務所(312箇所)に再編され、そのほか対面を要しない届出書の処理業務を行う事務センターが47箇所設置された。今回の機構発足を機に、新体制のもとでの年金制度への信頼回復と年金記録問題の早期解決に期待する。

  2.  社会保険庁では、長年にわたり形成されてきた組織構造や風土に起因する不祥事、年金記録問題などずさんな運営体制等が続けられてきた。こうした運営体制に対する国民の不信・不安を解消するため、真に国民・利用者のための組織に改革することが求められた。2008年11月に始まった日本年金機構設立委員会においては、機構の理念や運営方針など大所から、組織ガバナンス、内部統制、市町村との連携や「お客様へのお約束10か条」に至るまで細部にわたって決定した。また、民間から約1,000人を正規職員としたほか、約10,500人の正規職員は全国異動を原則とし組織構造の改革も図られた。

  3.  機構に求められるのは、国民からの信頼の回復が第一である。そのためには、年金記録問題の解決を急がなければならない。長妻厚生労働大臣は、今後2年間に集中して人・もの・金を投じる「国家プロジェクト」と位置づけた。記録問題は機構だけでは解決できるものではなく、国(厚生労働省)が最後まで責任を持って解決することを期待したい。また、不適切な労使慣行と決別し、労使共にお客様本位の良質なサービス提供こそが共通の存立基盤であることを認識し、健全な労使関係の構築に努めなければならない。

  4.  機構発足後の業務のチェックは「運営評議会」が担うことになる。被保険者、事業主、年金受給者等の率直な意見を反映できる仕組みとそのための人選が望まれる。形式的な報告だけの運営評議会にしてはならず、可能な限り議論プロセスを公開するなど、運営評議会の位置づけやチェック機能の実効性が低下しないような運営上の工夫も必要である。

  5.  民主党は税方式による最低保障年金の創設など年金制度の抜本改革を目指しており、国税庁と統合して税と保険料を一緒に徴収する「歳入庁」の構想を掲げている。長妻大臣は3年後に年金制度改革法案を提出すると宣言した。まずは国民の年金に対する信頼の回復のために機構の業務が円滑に行われ、国民皆年金制度の再構築に向けた年金制度の抜本改革は連合も従来から求めてきたものであり、その実現に向け、全力で取り組んでいく。


以上