りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年9月16日
第30回「『新聞離れ』になってはならぬ」

~完璧な人間などこの世にいない~

 NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」を、姫路生まれのかみさんと一緒にみています。ご当地生まれでありながら案外、うちのかみさんは官兵衛に辛口なのですが、今回の内容はその理由の一端を窺わせるものでした。宇都宮氏とその家来達をだまし討ちで皆殺しにしたという歴史は、いかにそれが秀吉の理不尽な命令によるものであったにせよ、そして乱世を生き抜いていけるかの瀬戸際におかれていたにしても、できることなら触れてほしくない黒田家の史実であったろうと思います。
 何十年と続いているNHKの大河ドラマ、いっときは人気取りに走ったか史実からかけ離れすぎたきらいがありましたが、昨年の「八重の桜」から今年にかけて私は比較的満足しています。しかしうちのかみさんは、それでもまだ官兵衛は美化されすぎているというかもしれません。今後のストーリー展開はわかりませんが、少なくとも今回、主役の黒田家の汚れた一面が正面から取り上げられたことは間違いありません。

~「大本営発表」はなぜ生まれたか?~

 私は父がテレビ局勤務であったこともあって、小さいときからテレビっ子で育ちました。さすがに今はテレビを見る時間が圧倒的に限られてしまっていますが、これという番組は録画しています。
 特に終戦の日の前後にはいくつか録りだめをしました。昨日やっとみることができたのが、8月17日に放映されたBS・TBS報道部の検証「そしてメディアは日本を戦争に導いた」という番組でした。半藤一利氏と保阪正康氏がゲストの、誠に印象深い内容のものでした。たまたま前述の大河ドラマをみた翌日に視聴したものですから、「主役には汚れてほしくない」という心理と、「自分の国の劣勢は聞きたくない」という心理、人間は不快なものから目をそむけたいというある意味当たり前の心理が二重写しにもなったところです。お二人によればあの「大本営発表」は、開戦から2~3ヶ月たって以降はほとんどがウソの内容の連続だったとのことです。
 お二人の分析は、同じ題名の書籍として出版もされているとのことで、こちらの方も是非読んでおきたいと思います。

~「新聞離れ」になってはならぬ~

 新聞も最初から軍部べったりであったわけではなく、何がきっかけだったかというと、日露戦争だったそうです。好戦的な記事を書けば書くほど部数が伸びて、各紙、三倍前後の売り上げになった。大きな流れはここから始まったということなのです。
  新聞が売れなければ倒産してしまうのはもちろん今も同じ、テレビ局も低視聴率でスポンサーがつかなければ成り立ちません。
  加えて昨今の風潮は、従来型のメディアに厳しい状況をもたらしています。いわゆる活字離れです。ニュースもネットでみればいい、スマホでなんでもわかる。しかしそういうことが落とし穴になるのではないか、私たちは自分たちの問題として注意をしていく必要があると思います。お二人の番組でも指摘がされていました。ネットやスマホでは、情報が、[1]断片的になる、[2]自分の好きなものしかみない、[3]ビジョン(=あるべき姿を考えること;神津注)とは全く無関係なものにとどまる・・・。

 朝日新聞の不祥事が世上を騒がせています。原因・対策を究明して、しっかりと出直してもらいたいと思います。もちろん他紙も対岸の火事ではありません。自らの論調が世の中をつくるなどとつんのめっていないか、あるいは商業主義や時流迎合に陥っていないか、足もとをみつめ続けていただきたいと思います。

 一方での「新聞離れ」対策もあって、一筋縄ではいかない課題です。私たち一人ひとりの意識にも大きく関わる問題です。

(神津)

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