りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年6月2日
第21回「本質の追求がなければ、いつか必ず化けの皮がはがれる」

~初めての試み・・・一歩ずつ着実に~

 ほとんどの地方紙と全国紙の一部に取り上げられたのでご存知の方も多いと思いますが、5月27日、連合として初めて47の地方連合会全てで、同日同時一斉開催の大集会を開催しました。日比谷野外音楽堂の3,807人を含め、全国各地の参加者数は合計で約二万二千人、インターネットの映像で各地を結び、愛知・島根・愛媛・北海道・東京の順にメッセージのリレーも中継するなど、いくつかの新たな試みは、参加者の熱意に支えられ成功裏に終えることができました。(ホームページ動画参照)連合として、これらキャンペーンの大衆行動については、「一歩一歩確実に前に進んでいる」という手応えを大事にしていきたいと思います。
 しかし、私たちの取り組みを阻む逆風の強さはハンパなものではありません。さらにこのキャンペーンの輪を大きくし、未参加の方々にもより広く加わっていただくことで、さらなるアピール力の強化を図っていかねばなりません。

~性善説では犠牲者が増えるばかりだ~

 5月30日には、福島市で中央委員会を開催しました。  春季生活闘争の中間まとめ、次年度の重点政策、そして来春の統一地方選の対応方針について、全体での認識合わせを行ったところですが、特に「重点政策」の議案に関しては多くの報告・意見をもらいました。
 報告の中には、あるブラック企業グループの巧妙な手口についても紹介がなされたところです。私たちは実名の公表も含めて、これらブラック企業の不当な労働組合つぶしに対して、しっかりと連携し、敢然と立ち向かっていかねばなりません。
 もちろん連合傘下の労働組合のパートナーには良心的な経営者もおられます。しかし今問題なのは、その外側の、自らの目先の利益ばかりを追求する悪徳経営者の存在であり、そしてそれらの勢力が増長するなかで、多くの働く仲間が低賃金・長時間労働で痛めつけられている実態なのです。
 産業競争力会議は5月28日に再び、労働時間制度等についての提案を発しています。(ホームページ所載の29日付談話ご参照
 依然として極めて問題の大きい内容だと思います。ブラック企業撲滅に多少の表現は割いていますが、本当にどこまでやる気なのか、その本気度は不明と言わざるを得ません。単なるお題目であればこれまでも様々な提案はあったのです。具体的・強制的な施策がなければ、いくら見栄えの良い言葉を並べても信用するわけにはいきません。現実に毎年100人を超える方々が過労死で亡くなってしまっているのです。
 労働時間の上限規制や年休の強制取得も明確な提示が不可欠です。そのことがないままに、まるで性善説のみに依拠したような論建てでは、法が担保すべき最低限の労働基準の考え方は成り立ちません。それでは犠牲者は増える一方です。

~本質を追求してもらいたい~

 中央委員会前日の地方連合会代表者会議でお招きした福島民報社の早川編集局次長が講演の最後でおっしゃっていたのは、結局のところ、震災・原発事故からの復興で不可欠なのは政治のリーダーシップであるということでした。3年余りたった福島発の、切実な声です。私たち一人ひとりがもっと政治に厳しい目を向けていかなければなりません。
 前回のこの「オピニオン」でも述べたところですが、私たち日本人は、メディアを中心とした議論がワッとある一つのテーマでにぎわうと、他の大事なテーマを置き去りにしてしまう傾向があります。そしていつの間にか、あってはならないことが事実として先行してしまうという危険性を、常に意識しておかねばなりません。
 雇用・労働の問題は、引き続き私たち連合が先頭に立って、組織の内外にその危険性について注意喚起していかねばなりません。
 一部のメディアからは、6月下旬に予定されている成長戦略発表に向けて、産業競争力会議の様々な提案が、「海外投資家が注目する」「アベノミクスの成否を占う」問題であるというようなとらえ方で報じられていますが、私は強い違和感を覚えます。
 私にはそれら提案の多くは見栄えだけの取り繕いに見えて仕方がありません。本当に、心ある現場の労使から発している切実なものなのでしょうか?目先の株価目当てで策を弄するようなものは、遅かれ早かれ、必ず化けの皮が剥がれると思います。  すさんだ雇用の現場をどう立て直していくのか、その本質の追求がなければ、国民も国家も救われません。

(神津)

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