りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年3月3日
第10回「労使関係のビルトインこそ進化のカギだ」

~スイスイ通過の予算で本当にいいのか?~

 先週の2月25日に衆議院予算委員会の公聴人として呼ばれ、働く者の立場から発言してきました。(ネット中継の録画でご覧いただけます。お時間のあるときに見ていただければ幸いです。「衆議院TV」で検索できます。)

 発言のなかでも、「特例公債による借金がここまで積みあがってしまっていることに対し、重大な問題意識を持たざるを得ない。予算審議のあり方そのものにも改善を図っていっていただきたい。」と述べてきたところですが、国会の運営そのものが少なからず通過儀礼的になっているなかでは、いくら建設的な意見を述べてもそれがどう反映され得るのか、正直言ってつらいものがあります。

 民主党政権はバカ真面目なところの負の部分ばかりが印象として残ってしまいましたが、巨大与党の圧力のなかで公共事業偏重が復活した予算がスイスイと通っていく現状をみるにつけ、予算の策定や仕分けの手法等、バカ真面目の正の側面をもう一度振り返っておくことの必要性をヒシヒシと感じます。

 若い人たちにこの膨大な負担をそのまま押し付けるようなことがあってはならないのです。

~派遣の人たちの賃金は・・・?~

 春季交渉、第一のヤマ場に向けた勝負の週を迎えています。
なんとしても月例賃金の引き上げを明確な回答として引き出していかねばなりません。
そしてその成果を土台にして、第二第三のヤマ場、中小共闘、非正規共闘の相乗効果につなげていかねばなりません。

 さらに大事なことはこれを一年こっきりのものとせず、中期的なトレンドにしていくことです。

 先日ある全国紙の記事の表現に目がとまりました。「正社員の賃上げは労使で交渉するが派遣従業員の場合は派遣会社が顧客企業に請求する料金で決まる」・・・これを書いた記者の方は何の疑問も悪気もなく記述をされたのでしょうが、私たちは、この表現の持っている矛盾を正面からとらえていく必要があります。 矛盾は二つあります。

 その一。
今は人手不足だから派遣労働の単価は上がっていくでしょうが、それは所詮、短期的な景況の上がり下がりで変動するものです。私たちが求めるのは安心・安定の基礎となる月例賃金の確実な向上であり、雇用の質の向上に応じた配分の向上です。それは日本経済が目指すゆるやかなインフレや中期的な経済の好循環の考え方とも整合していくものではないでしょうか?

 その二。
労働者が労働者である以上、その基本的な権利である団結権・団体交渉権をもって自らの労働条件を要求し、実現を図っていく、またそこに理不尽な問題があれば争議権を背景に立ち向かう。この当たり前の基本があまりにもないがしろにされているのではないでしょうか?

 先ほどは国の借金について触れましたが、この問題もそうです。矛盾をそのままにして若い人たちに引き継ぐわけにはいきません。

 労使関係のビルトインこそ、「今日より良くなる明日」を展望するカギです。世の中を前に進める進化のカギなのです。

(神津)

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