りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年1月20日
第5回「雇用の現場の劣化を直視すべし」

 この土日の新聞・テレビでみつけた話から、あらためてこのことを強く感じました。雇用の現場の劣化を直視すべし。

新聞でみつけた・・・「ブラックの拡大」か?

 土曜日にはある朝刊の見出しが目を引きました。20日の産業競争力会議で扱われる内容の先行報道で、「働く人を増やす・企業が活動しやすく・社会保障を成長分野に」が新成長戦略に向けて検討する主なテーマとしてあげられています。

 その中の「働く人を増やす」は「外国人の就労拡大」を含んでいます。誤報であってほしいものですがこれだけの詳しい内容だと、だいたいそうはなりません。

 連合としての見解は、正確な内容を確認してからあらためて出していくことになりますが、ここではとっさに感じた私の疑問を以下にいくつか。

  • 技能実習制度とは、習得した技能を国に持ち帰って、国の発展のために役立てていくことがあってはじめて成り立つものです。日本での研修期間を「拡大する」とは果たしてどのような理屈なのでしょうか?
  • 時給300円といった外国人労働者の悲惨な状況や、結果としての差別感情・民族主義の横行等、先進諸国のこれまでの事例はどのように踏まえられているのでしょうか?
  • ブラック企業が跳梁跋扈するなかで、それを是正することも未だおぼつかない我々日本人が、外国から来られる方々に責任をもった形で働く場を提供し、さらに拡大できるのでしょうか?まちがっても「ブラックの拡大」になってはなりません。

・・・本当の意味で働く当事者のことが考えられているのでしょうか?
労働代表が排除されたメンバーでのこの種議論に、疑念は深まるばかりです。

テレビでみつけた・・・「亡国の議論」か?

 日曜日の朝には、教育の現場で非正規・有期雇用が増大していると特集を組んだ番組がありました。教育を含めて公務の現場では臨時非常勤といったテンポラリーな雇用形態が増加の一途をたどっています。

 巨額の借金を抱える財政問題のツケと恒常的な人員削減が、公務労働の現場でゆゆしき状況を生じている、そのことに私たちは正面から立ち向かっていかなければなりません。

 それにしてもコメンテーターで登場していた弁護士や政府高官のコメントが、「正規職員増に転換すべきではない」と言い切っておられたのには暗澹たる思いを禁じえませんでした。

 働く者の思いや立場などは全く考慮されていないのです。
このような考え方がさらに公務労働の現場の劣化を招き、社会を劣化させていくのです。まさに亡国の議論です。

(神津)

りきおのオピニオンスタジアム
2015年 一覧
2014年 一覧
2013年 一覧